インドの交通事故発生率は日本の50倍--どうすれば日本人駐在員の安全を守れるのか?
道路脇にはさまざまなものがノロノロと“走行”しています。リヤカー、牛車、牛はもちろん、ラクダ、犬、馬、ヤギ、羊、象などの家畜です。(象は街によって通行ゾーンが決まっています)そのほか、野良牛、野良猿、野良ヤギが“走行”ではなく道路を横切ってきます。
歩行者も信号を無視して渡ってきます。これは、横断歩道が少ないため適当に車道を渡ることが彼らにとって日常になっているともいえます。私自身もインドで街を歩くと、そうせざるをえません。歩道橋や地下道などはほとんどありませんので、反対側に渡るには、歩行者も突っ込むしかありません。
信号で止まると、子供の物乞いや本や新聞、果物などのモノ売りが走ってきて、車を取り囲みます。中に乗っているのが外国人だとわかると、さらにアピールしてきます。やがて青になるとまた走って去っていきます。
歩行者が密集するマーケットの中を車が徐行しながら無理矢理突っ込んできたりします。こういうときは、歩行者と車が平気で接触しています。車も人もお互いが強引です。
私自身、荒い運転をする運転手を見て怖いと感じることはよくあります。車間距離がほとんどなく、レースをするかのように運転します。ただ市街地よりもスピードを出す分、郊外や田舎での道路のほうが怖く感じることがあります。
--お話しを聞いていると、非常に危険ですね。その交通事情の原因は、インド人の気質なのでしょうか?
道路環境や交通法規もありますが、やはりインド人の性格的な側面が大きいと思います。インド人は列車が遅れてもまったく動じません。これは1分遅れでイライラする日本人と比べて寛容です。
しかし、自分が運転するとなると真逆になります。日本人はお互いに道を譲り合いますが、インド人ドライバーたちは、「道を譲る」ということを知りません。