1980〜90年代生まれの中国人には、「アニメで日本語を覚えた」という人が結構多い。うちの会社でインターンをやっている、大学生の林さんもその1人。
「どんなアニメを見るの?」
「いろいろ見ますよ。マニアックなものも。」
「やっぱりワンピースとかが好き?」
「まあ、見てますけど……」
「エヴァンゲリオンは?」
「それは、『神』ですよ。」
『神』なんて表現、使いこなすとは、おヌシ、なかなかやるのぉ。ちなみに彼女、大学の専攻は英文科で、日本語を正式に学んだことはない。四川省出身で、近くに日本人がいる環境で育ったわけでもない。しかし、ナチュラルな日本語を話し、アニメのみならず、村上春樹をこよなく愛す日本文学少女でもある。
中国語の修得に四苦八苦している僕としては、才能の差を感じずにはいられないのだが、彼女に限らず、アニメ好きで日本語ペラペラの若者は多い。中国の若者に対して、アニメの影響力は凄いと言わざるを得ない。
各事務所にスラムダンク図書館を設置
そんなアニメの力を使って、中国で会社の風土改革を進めている企業がある。文房具のコクヨである。コクヨの中国現法である国誉商業の各事務所には、「スラムダンク図書館」が設置されているのだ。
スラムダンクとは言わずと知れた、累計販売1億部を超えるバスケットボールマンガの金字塔。国誉商業では、各事務所にこのような「図書館」があり、勤務時間中でも、このマンガを読んでもいいというルールになっている。
「個性的なメンバーたちが、試練を経て成長し、チームとして機能していく様子は、我が社が目指す成長そのもの。社員のみんなに『仲間』や『チーム』というものを意識してもらうために、スラムダンクは最高の教材です」と話すのは、国誉商業総経理(コクヨS&T執行役員)の井上雅晴さん。
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