資格取得を「リスキリング」と勘違いしている人へ VUCA時代こそ「汎用的読解力」で自分軸を持つ
逆に、次から次へと自己啓発本を読むことがやめられないとか、すべてのケースを網羅的に知らなければ先のことなど考えられないという場合は、「汎用的読解力」が不足しているのかもしれません。
不透明で先が見えない世の中だからこそ、資格をたくさん持っていれば、自分を助けてくれるに違いないと思っている人は少なくありません。けれど、前途有望なベンチャー企業がそんな有資格者を探しているかというと、そうではありませんよね。
人生100年時代は「Π(パイ)型」スキルで
これまでは、人生は80歳ぐらいまでかなと思われていて、22歳で企業に新卒採用され、65歳まで働いたら、年金をもらって、旅行や趣味などをして過ごすというイメージがありました。
しかし、人生100年時代になり、そんな人生設計は崩れざるをえません。
これからは、人生で4~5回転職して、ダブルワークといった人生も普通になっていくでしょう。70~75歳まで働くことを視野に入れなければ、厳しい時代になると思います。そんなに働かなくちゃいけないのか……と途方に暮れてしまう方も少なくないでしょう。
一方で、そんな時代を「面白い」と感じる方もいます。例えば、大企業で働きつつ、まだ元気な50歳ぐらいまでに十分にリスキリングをしていると、そこからの人生「二毛作」をいかに豊かに過ごすか、ということを基準にしたライフシフトができますし、第2の人生にマッチした転職ができるわけです。
これまでのように、人事1本、総務1本という形ではなく、リスキリングによって、そこに何かプラス1本のスキルが加われば、支えが2本ある「Π型」の人生になり、より安定します。二毛作へのシフトがうまくいけば、さらに三毛作も可能となり、年金は受け取らずに長く働くということもできるでしょう。
大事なことは、年齢が上がるほど、地域や社会への貢献性を高めていくことです。これは、自分自身のリスクヘッジにもなります。歳を取れば取るほど、地域とつながり連携しているほうが、何かあったときに助けてもらえる可能性が高まりますからね。
それを、単に趣味やボランティアにとどめるのではなく、小さくてもビジネスにすると、責任感や「わくわく感」が高まります。そのためには、人々が困っていることに敏感になる必要があります。多くの人が困っていることに対して、何らかの支援をしてあげることは、ビジネスになるのです。
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