資格取得を「リスキリング」と勘違いしている人へ VUCA時代こそ「汎用的読解力」で自分軸を持つ

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日本は、個としての生産力が低い国です。あるチームに属して、その属性で働いていますから、そこから離れて1人あたりで見たときには生産性が下がるのです。そういう中にいすぎることで、自分の個の力で立つということを「怖い」と感じる人が多くなるのでしょう。そこが、「汎用性読解力」の低下につながっていると思いますし、日本で起業が活発にならないのも同じ理由だと思います。

ライフシフトは、情報のデトックス

先ほど、新聞や本を読んで未来を考える力と言いましたが、「汎用的読解力」を鍛えるために、新聞や本を読まなければいけないという話でもありません。新しい情報は、あふれんばかりにありますから、むしろ、情報は捨てなければいけないのです。

リスキリングの手段として、セミナーや朝活などを増やしているうちに、それが目的化してしまう人もいるのではないかと思います。資格取得もそうです。TOEICの試験を受けることもいいと思いますが、何のために点数を上げるのかの目標がないまま、点数を上げること自体が目的化してしまう人もいます。

人間関係が重要だからと言って、誘われた飲み会は断らずに、あちこち顔を出していると、今度は自分と向き合う時間が減ってしまいます。

私は、情報の量より質、そして読む深さを重視しています。人間関係もむやみに広げません。SNSの時間は1日15分にブロッカーで設定し、リプライは読みません。購入する本も月1、2冊。むしろ昔購入して面白かった本を再読することが多いです。経済紙を1時間かけて読むのが朝の習慣です。

友達も少ないほうです。その代わり、信頼できる仲間には恵まれています。友達は人数ではありませんし、本も冊数ではありません。もちろん「いいね」の数でもありません。世の中にあふれる情報から、自分をデトックスして、リーンにする。ムダを省いて筋肉質にするわけですね。1カ月に一度ぐらいは、棚卸しするといいでしょう。

『ライフ・シフト2』には、「自分の心の声に耳を傾けましょう」ということが書かれています。「汎用的読解力」があり、人間関係がリーンだと、心の声がよく聞こえてきますし、自分がどういう人間かがはっきりします。

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