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政治・経済・投資 #野口悠紀雄「経済最前線の先を見る」

日本人が直面する「先進国内の地位低下」の深刻さ 円安、低成長…古い経済構造の改革が大きな課題

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また、アメリカは力強く成長している。

こうした国々では、歴史は未来に向かって進んでいる。

なお、この図では、ユーロ圏平均が先進国を表すと考えた。OECD平均を取ることも考えられるが、OECDには日米も入っているので、このほうが適切だろう。ちなみに、ユーロとOECD平均値はほぼ同じだ。

地位が低下したのは、円安と低成長のため

世界経済における日本の地位が低下している原因は、2つある。

第1は為替レートだ。円の購買力を示す実質実効為替レートで見ると、1990年代の中頃がピークで、それ以降、日本円の購買力が低下している。

図表3は、2015年基準の購買力平価によって評価した1人当たりGDPの値をもととして算出したものだ。

これは、2015年の購買力と同じであったとしたらどうなるかという数字だ。2015年に比べると1900年代から2000年頃の為替レートはかなり円高だったので、この期間は、市場為替レートより円安のレートで評価することになる(レベルは基準年次の取り方によって異なるが、時系列的な変化は、どこを基準年にしても同じになる)。

これを見ると次のことがわかる。

日本の指数は1984年に1を超えた。ユーロ圏平均を先進国の代表値と考えれば、このときに先進国の仲間入りをしたわけだ。そして、1990年代の前半に指数が1.1程度になった。しかし、そこがピークでその後低下し、2000年頃からはほぼ1程度の値を続けている。

アメリカの指数は、ユーロ圏の1.5倍程度。2012年頃からは指数が傾向的に上昇し、2020年では1.7程度になっている。

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【1990年代半ばの「日本>アメリカ」は為替レートの影響】

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