田中良和・グリー社長--1億人ではまあまあ、10億人が使うサービスで一流だ
--バーチャルなアイテムにおカネを使わせるゲームビジネスには、はやり廃りの波があるのでは。
それはまったく違う。昨日まで週5日渋谷に行っていた人がいる。今起きているのは、その人が週4日渋谷に行って、1日はSNSをしているということ。
渋谷で何をしているかというと、友だちとカラオケしました、お茶飲みました、洋服買いました、といったこと。いずれも生活に不可欠な行為ではなく、友だちや恋人との生活の中で必要なことをし、モノを買っている。別にそれでなくてもいい。友人と過ごすのに使うおカネと時間の一部がネット上で、SNSで消費されているということだ。
だから、ゲームにおカネを使っているというより、交際費だったり娯楽費だったりする。リアルの対面コミュニケーションで消費されていたものの一部が、ネットに移っている。その1つがソーシャルゲームと呼ばれているものになっている。
そのため、インターネット上のコミュニケーションで求められるものを提供するということが、本質的なテーマになってくる。
--プラットフォームをオープン化したが自らが最大のゲーム事業者でもある。ゲーム提供者との関係をどう構築するのか。
プラットフォーマーとして、ソーシャルゲームを作り続ける必要はある。任天堂やアップルがイノベーションを起こしているが、それは自らプラットフォームから手掛けているからできることだ。プラットフォーマーにとって、サードパーティ(他社)にいろんな可能性があることを示すのも重要な役割だ。
ただ、アプリのレベルでは、自分だけですべてのニーズを満たすことはできない。われわれが気づかないようなイノベーションを起こしてもらうために、いろんな人に参加してもらうことが必要になる。