ドイツ自動車大手のBMWは2月11日、中国の合弁会社「華晨BMW」への出資比率を50%から75%に引き上げ、中国政府の営業許可を取得したと発表した。中国政府が外国企業による自動車産業への投資規制を完全撤廃してから、既存の乗用車の合弁会社で外資側が出資比率の引き上げを完了したのは、これが初めてだ。
BMWは2003年、遼寧省に本拠を置く国有自動車メーカーの華晨汽車集団との合弁で華晨BMWを設立。従来の出資比率は双方が50%ずつだった。中国政府が1994年に施行した自動車産業政策により、外資系メーカーが中国で完成車を生産・販売する際には中国メーカーとの合弁が義務付けられ、外資側の出資比率は50%以下に制限されていたためだ。
しかし2018年4月、中国政府は自動車産業における外資規制の段階的撤廃を発表。まずEV(電気自動車)などの「新エネルギー車」から規制が取り払われ、次に商用車、そして2022年から乗用車を含む全分野の規制が完全撤廃されることになった。
合弁契約の延長や追加投資を約束
このスケジュールが示されると、多くの外資系メーカーが全額出資子会社の設立や、既存の合弁会社で出資比率を引き上げる検討に入った。
なかでもBMWの動きは速く、2018年10月に中国側パートナーとの基本合意書に調印。その内容は、華晨汽車集団が保有する華晨BMWの株式の25%を36億ユーロ(当時の為替レートで約4677億円)の予定価格でBMWに譲渡することに同意し、実際の売却手続きは規制撤廃後の2022年に実施するというものだった。
BMWはこの時、上述の対価の支払いに加えて、華晨BMWの合弁契約期限を2028年から2040年に延長(して華晨汽車集団とのパートナーシップを維持)することや、30億ユーロ(約3956億円)を追加投資して華晨BMWの既存工場の改修と新工場の建設を行うことを請け合った。
今回のBMWの発表と同じ2月11日、華晨汽車集団の上場子会社の華晨中国汽車控股は「華晨BMWの株式譲渡に必要な前提条件がすべて整った」として、売却の決済が2月18日に実施されることを明らかにした。また、BMWから実際に受け取る対価については279億4000万元(約5089億円)と開示した。
(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は2月12日
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