寄り道も「猫」にはすべてお見通し?すごい嗅覚 「猫」の嗅覚は人間の約10万倍!その驚きの理由

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猫の嗅覚は人間の数万倍から数十万倍もあるそうです(写真:まちゃー /PIXTA)
世界有数の猫好き国民といわれる日本人。飼育数も犬を抜き、人間のパートナーとして、かけがえのない存在となっている。だが、猫の優れた能力はあまり知られていない。それもそのはず。猫は1日のほとんどを寝て過ごすため、人間にはその優れた心身の能力を見せる機会がごく少ないからだ。猫研究の第一人者として各地でフィールドワークを行う生物学者山根明弘氏の著書『ねこはすごい』より、猫の隠れた「すごさ」を一部抜粋して紹介する。
前回:猫は「ゴルゴ13以上のスナイパー」すごすぎる能力

人間には無臭でもねこには「臭う」ものがたくさん

ねこは嗅覚においても、非常に優れています。いぬには少し及びませんが、それでも人間の数万倍から数十万倍もの嗅覚があるといわれています。人間には無臭のものでも、ねこにとっては非常に「臭う」ものが、家のなかや街のなかに、散在しています。

わたしたち人間は、日常生活のなかで、それほど嗅覚にたよって生きているわけではありません。そのかわりに、視覚や聴覚によって、目と耳から得られる情報によって、まわりの状況を把握しながら、街のなかを歩いたり、人に会ったり、映画やコンサートを楽しんだりと、日常生活を送っています。

スーパーで食材を選ぶ時でも、見た目の形や色などで、おいしそうであると判断して買い物かごに入れますが、マツタケなどの食材でないかぎりは、ニオイを嗅いで選ぶ人はほとんどいません。成長産業であるネットショップなどでも、商品をニオイで選ぶことなど、最初から想定されていません。

また、人とのコミュニケーションも、相手の話を聞いたり、その時の表情などを見たりして、意思疎通をはかります。お互いのニオイを嗅ぎ合ってコミュニケーションをはかることなど、よほど親密な間柄でなければ、あり得ません。

一方、ねこやいぬの場合、まわりの世界をニオイによってとらえている比重が高く、同じ家にすんでいても、ねこたちは、わたしたちの想像をはるかに超えたニオイの世界で暮らしています。ねこが、食べられるものか、そうでないかを判断するのは、見た目ではなく、そのニオイによってです。人間の目には明らかに食べ物であっても、ねこはニオイを確かめるまで、決して口にしようとはしません。

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