この旅行の後、2人で話し合った結果、このカップルは結婚せずに婚約破棄をした。
もう1人の男性会員(39歳)は、35歳女性と結婚した。付き合っているうちは手を繋いだり、ハグをしたりしていたそうだが、入籍して一緒に暮らしてみると、彼女は彼が体に触れることを頑なに拒否した。
彼は、当時のことをこんなふうに言っていた。
「食事以外の時間は自分の部屋にこもってしまうんです。断りもなくドアを開けようものなら、激怒する。同居が始まった日から寝る部屋は別々でした」
このカップルは、男性から離婚を切り出した。ところが女性は「離婚はしたくない」の一点張り。女性の実家を巻き込み、男性が女性の両親に現状をすべて話したところ、親が「それは娘が悪い。(あなたが)気の毒だ」と、娘を親が引き取る形で離婚が成立した。
男女の関係になったら、成婚とみなす
生活圏内での出会いなら付き合っている時間も長いし、キスしたり、ハグしたり、男女の関係になったり。そうしたコミュニケーションの先に結婚がある。
ところが、結婚相談所には“男女の関係になったら、成婚とみなす“という規約があり、それを忠実に守っていると、男女の関係にならないまま婚約することになる。
「そういうこともしてみないと、男女の相性はわからないだろう」という人もいる。確かにそれは一理ある。しかし、それを許してしまうと、結婚相談所が異性を口説く人たちの遊び場になってしまう。
実際、その縛りがない婚活アプリなどでは、会ったその日に男性が女性をホテルに誘い、男女の関係になったりしている。一方は夢中になっていたのに、一方は遊びで、スーッと姿を消され、心に傷を負ってしまったということも起きている。
相談所にしろ、アプリにしろ、異性をどう見極めていくのかは自己責任。相手を見極める目が大切なのだろう。
話をあきおとゆいに戻そう。
あきおは、1度目の結婚の失敗から同じ失敗は繰り返したくなかった。ふれあいや男女関係になることをスムーズに受け入れてくれるかどうかが、ゆいと付き合っていくうえで、とても気になっていた。そこで私に、ゆいとのデートで手が繋げるかどうか、相談室に聞いてほしいと聞いてきたのだろう。
ゆいの相談室にこの連絡を入れると、後日、仲人からこんな返信がきた。「こちらは、スキンシップは大丈夫だと言っております」。
そのことを伝えると、あきおはほっとしたようだった。そして、この手繋ぎデートを機に、あきおとゆいは真剣交際に入った。
しかし、そこから数日後。面談を申し入れてきたあきおの顔が浮かなかった。「ゆいさんは、僕が思い描いていた人と違うかもしれません」。
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