【産業天気図・アパレル】アパレル業界は終始「曇り」止まりへ、秋冬物の出足鈍調、低価格衣料も真新しさ薄く失速傾向

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 同2位のしまむらも前期に品切れをおこした機能性衣料「ファイバーヒート」を、今期は3000万枚に倍増して展開するなど、機能性衣料を主体とした戦略をとる。だが業績貢献へのポイントとなるのは、正規価格でどこまで販売できるかだ。ユニクロもしまむらも、在庫を自社で抱える商品戦略をとるだけに、販売不振になれば値引きロスが大量に発生する懸念がある。消費者のニーズをとらえた商品で、値引きをいかに少なくして販売できるかにかかっているが、前年のヒットを踏襲するだけでは真新しさが演出されず、厳しい状況になりそうだ。

百貨店向けを中心とするアパレル各社は、前年までの在庫削減で値引き等による採算悪化を抑制している。また不採算店の閉鎖などコスト削減策を講じ、業績の復調を狙う。アパレル最大手のオンワードホールディングスは生産・物流拠点を集約し合理化を推進している。「バーバリー」を手掛ける三陽商会も、不採算店の閉鎖に加え、広告宣伝を進めることでコスト削減を加速する。

ただ9月まで残暑が続いたことで、直近の販売は苦戦している。また百貨店の売上高が、マイナス幅は縮小しているとはいえ、8月まで30カ月連続で既存店が前年割れとなるなど、消費意欲の低迷は依然根強い。前年より業績は回復基調にはあるが、本格回復にはならなそうだ。
(鈴木 良英=東洋経済オンライン)

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