藤井アナが「うす味」の言葉選びをする2つの理由 日常生活や会社で応用できる「心をつかむ」極意

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藤井アナが日々、コミュニケーションで気をつけていることとは? (写真:zak/PIXTA)
夕方の情報番組でダントツの視聴率を誇る「news every.」(日本テレビ)。コロナ禍が続く中、メインキャスターを務める藤井貴彦アナウンサーが発する数々のメッセージが「胸に響く」「心に届く」と話題になっています。2021年の好きなアナウンサーランキングで1位に輝いた藤井アナが日々、コミュニケーションで気をつけているのは「自分の意図が、どこまで伝わっているかを意識する」ということ。著書『伝わる仕組み 毎日の会話が変わる51のルール』の内容を一部抜粋・再編集してお届けします。

言う・伝える・伝わるの違い

私はコミュニケーションの質を「言う」「伝える」「伝わる」の3つに分けています。

「言う」はそのまま伝える。

「伝える」は工夫して伝える。

「伝わる」は届いたかどうかまで考えるものです。

「言う」「伝える」だけでは、「伝わる」ところまでは届きません。

「言う」のはとても簡単です。

思ったことをそのまま口にすればいいのです。誰の目も気にせず言いたいことを言うだけです。いまSNS上にあふれる心ない一言は、伝わり具合を想像せずに発せられたもので、日々生産され続けています。

「伝える」は、伝わり具合を考えて「言う」ことです。

自分の言葉を相手が聞いたり、SNS上で見たりした場合にどう感じるだろうかと、言葉を選びなおすことが「伝える」うえでは必要になります。

例えば、作ってくれた食事に対して【薄いから、塩かけたい】という言葉を発したとします。

浮かんだ言葉をそのまま言い放っていますね。作ってくれた食事に対する一言には、世界で最も注意が必要です。

そこで言葉を少し追加します。

「すこしだけ薄いから、お塩かけてもいいかな」

わずかに変化が生まれてきたでしょうか。

先ほど、言葉を追加すると言いましたが、実は最初の「薄いから」という言葉には、「すこし薄いから」という意味を本人としては含んでいます。その隠れている部分を忘れずに表に出すことが大切なのです。

同じように「塩をかけたい」という言葉の中にも、「かけてもいいかな」という相手への思いやりが、実は隠れています。私たちは、隠れた部分も相手に伝わっていると思いがちですし、瞬時に口から出る言葉の不安定さに気づいていません。ここは改めて意識したいところです。

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