アフターコロナの人気留学先が「韓国」になる必然 第4次を迎えた「韓流ブーム」と留学者数の相関関係

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アフターコロナの海外留学はどうなるのか(写真:freeangle/PIXTA)

世界的に感染拡大するオミクロン株の影響で、海外留学の復活が少し後ろ倒しになっています。ご存じのとおり海外留学は2020年以降、コロナで非常に大きなダメージを受けました。一般社団法人海外留学協議会 (JAOS)の調査では、留学事業者43社の2020年の年間留学生数は、1万8374人。2019年の実に24%に激減しています。

ただ、筆者はコロナ禍の留学について取材を進める中で、ある国の名前を関係者から頻繁に聞くようになりました。それは韓国です。はたして韓国留学の実情は今どうなっているのか、今回はあまり知られていない韓国留学の事情と、コロナ後の動向についても考察していきたいと思います。

ここ2年は韓国留学も深刻な影響

オーストラリアに本部を持つグローバルな語学学校グループ「レクシス・イングリッシュ」の韓国キャンパスの責任者JeeHo Kim氏によると、韓国は日本だけでなく、欧米からも人気の留学先です。

(写真提供:レクシス・イングリッシュ)

同校の国別受け入れ数のランキング(2019年)は、1位から順にドイツ、台湾、スイス、アメリカ、スウェーデン、そして日本。上位は欧米が占めており、韓国といえば日本人が多いイメージを持っていたのですが、インターナショナルな学習環境があるようです。

ただ、コロナの影響は大きく、2020年は特に深刻な状況に陥りました。世界30カ国以上から留学生の受け入れる同校では、それまでずっと学生数は右肩上がりだったのが、政府の規制により、主力コースの短期留学の渡航が原則として不可となったため、大きな打撃を受けたそうです。

2021年からは、オンライン留学の充実や大学との連携によって回復傾向にはなってきているものの、まだ元通りまでには至っていないということでした。

日本学生支援機構が毎年実施している「日本人学生留学状況調査」によると、大学等が把握している日本人学生の韓国への留学者数は、2019年度で7235人(前年比11.2%減)でした。ヒアリングした語学学校や留学エージェントの話から推測すると、おそらく2020年度はさらにマイナスに転じていると思われます。

他国と同様に深刻なダメージを受けている韓国留学ですが、昨年、厳しい状況の中でも今後のブレイクを予想させるような動きもありました。

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