アフターコロナの人気留学先が「韓国」になる必然 第4次を迎えた「韓流ブーム」と留学者数の相関関係

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政府の短期留学への規制により、大学附属の語学堂(語学学校)に半年から1年くらい長期で留学に行く人が現在多く、大学の派遣留学に参加できなかった大学生が休学して参加するケースも見られます。

語学習得を目的とした留学が多いのが特徴で、ただ最近は将来的に就労や居住を目的とした留学も出てきているということ。前述のPBL型の動きにも通じるものがあり、不安定な状況の中でなんとか将来につなげたいという思いがあるのでしょう。

欧米への留学とは異なる韓国留学の目的

関係者に話を聞いていく中で、欧米への英語留学とは違う韓国留学の特徴が見えてきました。

欧米への留学目的は「学位の取得」「キャリアのため」「語学の習得」という風にアカデミックな留学をベースに多様化してきていて、近年はより専門的・実践的なものが好まれる傾向にあります。

一方、韓国留学の場合は、「語学の習得」を目的としたものが主流です。
筆者はその理由として、韓流ブームとの関連性があるように思います。

日本学生支援機構「日本人学生留学状況調査」の留学者数推移を見ると、韓流ブームの翌年は韓国への留学者数が増加しているのがわかります。

『冬のソナタ』が人気だった第1次韓流ブーム(2003年〜2004年)の翌年は微増。東方神起・少女時代・KARAなどの第2次韓流ブーム(2010年〜2011年)、「チーズタッカルビ」が流行った第3次韓流ブーム(2016年〜2017年)の翌年は明らかに激増しているのです。

2006年から15年以上、韓国留学サポート「韓留ドットコム」を運営する株式会社ジージーで代表を務める平田利行氏によると、韓国留学の参加者の特徴として、ドラマや音楽に興味を持った人がより深くその世界に浸りたいという強い動機から語学を学ぶ人が多く、ブーム後も継続した参加者数を保持していると言います。

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