伊達政宗から学ぶ「他者との距離の取り方」の妙 領地没収、切腹を免れた死装束パフォーマンス

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◆ タイプ 01 織田信長
時代に翻弄されず、愚直なまでに自分を信じる

「戦国時代の武将として名高い三英傑のひとりであり、江戸幕府へと続く天下統一の先鞭をつけたのが織田信長。大胆不敵で気性の激しいイメージがありますが、実は忍耐強い人でした。

勝てるまで綿密に準備し、納得したうえで戦うのが信長の戦術。奇襲と言われる桶狭間の戦いも、今川義元が仕掛けてきたから仕方なく討って出たようなもの。それ以来、一度も奇襲戦はしていないんです。

信長は“尾張の大うつけ”とも言われ、同時代の人からは変わり者として見られていました。そもそも戦国時代に、人に笑われるのは武士として一番恥ずべきこと。そのために、のちの“武士道”が生まれたように、日本人が今でもメンツにこだわる精神性をもっているのも、この時代から始まっていると言えるでしょう。

でも、信長はどんなに笑われようとも、間抜けだと言われようとも気にしない愚直なまでに自分を信じて、強い意志を持ち続けました

(イラスト:ゴトウイサク)

「例えば、信長軍では最前線で6mあまりの長さの長槍を使っています。長さは通常の1.5倍以上なので、さぞかし周りからは『長いだけで使いにくい槍なんて』と嘲笑されたことでしょう。でもそこには、信長ならではの大きな意味があったのです。

自分の行く道を定め困難を乗り越えていく

槍を使うのは農民出身の足軽たち。槍の技量がない彼らには突かせるのではなく、槍の先ではたかせて、相手の前進を阻んだのです。槍は突くものではなく、はたくものという発想の転換で、戦術そのものを変えてしまったのです。

どれだけバカにされようとも、勝ちは勝ち。時に人に理解されなくても自分を信じ、自分の行く道を定め困難を乗り越えていきました

しかしながら、愚直であることは裏を返すと他人の気持ちが分からないということ。そのために信長は、本能寺の変で命を落とすことになりましたね。その教訓として他人への思いやりも必要ではありますが、周りに翻弄されずに自分の意志を貫く愚直さは、不確実な今の時代にも活かせる生き方だと思います」

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