大村崑を「筋トレ沼に落とした」20代青年の正体 「ぼくの師匠は、60歳年下のスーパーマン」

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スクワットひとつまともにできなかった超劣等生のぼくです。でも、終わったあとの爽快感が忘れられず、筋トレに吸い寄せられるかのようにライザップに通うようになったのです。

すると、じきにスクワットも上達していきました。回数も3、4回だったのが少しずつ増え、15回までできるようになったのです。しかも、太ももが床と平行になるまで深く腰を沈められるようになったのですから、もう劣等生とは呼ばせません。

腰を深く沈めながら15回。これを3セットくりかえします。合計45回。なかなかのもんでっしゃろ?

さらにトレーナーの岩越さんが、より体を鍛えるために、1回ごとの負荷を大きくする作戦を立てました。なんと、バーベルを肩に背負ってスクワットをすることになったのです。

40キロのバーベルを持ち上げられる喜び!

10キロのバーベルから始めました。それが20キロに変わり、それからは、20キロのバーベルに2.5キロの軽いおもりを足していって、2年目には30キロの重さのバーベルを肩に背負ってスクワットができるようになったのです。そして、3年半たった今、バーベルの重さはなんと、40キロにもなりました。

できなかったことができるようになることほど、うれしくて、誇らしくて、愉快なことは、ほかにはありません。

トレーニングに励む崑ちゃん(写真:青春出版社)

前回より今回のほうが、わずか2.5キロでも重たいバーベルが背負えると、ぼくはうれしいんです。で、その積み重ねで、ついに40キロに到達したのですから、それはもう、うれしくて、うれしくて、全身が喜びにすっぽり包まれたかのようでした。

80代半ばをすぎて、こんなふうに無邪気に喜べることはそうそうおまへん。

しかも、ジムに通いはじめると、おもしろいぐらい体重が減ってきた。わずか3カ月で5キロも落ちたのです。もっとも、今は2キロほど戻っています。それは筋肉が増えたためです。筋肉は脂肪よりも重たいので、その分、体重も増えるのです。筋肉が増えれば、当然体は引きしまってきますがな。

ジムに通って3カ月で、ぼくは心も体も筋トレにすっかりハマっていました。「でも、崑ちゃん、筋肉痛って、痛うないの?」って、痛いに決まってますがな。

でも、その痛みがふしぎと気持ちいいのです。気持ちいいから筋トレをやめられない。筋肉痛の心地よさを体が欲するのです。ああ、これが「運動中毒」いうものか……。

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