堀江貴文「他人に期待しすぎるな」と言い切るワケ 期待しないからこそ労われた時の喜びも大きい
「あいつに任せるんじゃなかった……」
しかし、後悔は先に立たない。泣いても笑ってもイベントは5日後だ。
幸い、電子年賀状の仕事を一段落させていた僕は、陣頭指揮を執り、社内の総力を挙げて、なんとかこの難を乗り切った。
短い時間の中で、複数サーバ間で独自通信をするシステム(シングルサインオン的なもの)を開発した。まさに火事場のクソ力だ。迷っている時間はない。自分で仕組みを決め、システムをバリバリ作り上げた。僕もほかのスタッフたちも不眠不休。そして大晦日の生中継になんとか間に合った。
「他人に期待しすぎることをやめた」
イベント当日、僕も会場に出向いていた。本番で何か起こったらシャレにならない。張り詰めていた僕の前に、2人の男性が歩いてきた。
「なんだか、キラキラした2人だな……」
疲れ果てた僕の目に飛び込んできたのは、ほかでもないマーク・パンサーさん。そして、あの小室哲哉さんだった。もちろん、一介の出入り業者だった僕が、小室さんと面識などあるわけない。でも、さすが人の心がわかる名プロデューサーである。
「おっ、頑張ってるね!」
小室さんは僕に声をかけてくれた。それまでの疲れがいっぺんに吹き飛んだ。
こんな経験を積むうちに、僕は他人に期待しすぎることをやめた。いくらエキサイティングな仕事でも、対価をいくら払おうと、他人に裏切られることはある。そう割り切ることにしている。もちろん社会人としては、一度引き受けたことは業務としてきちんとやってくれないと困る。でも、逃げられることもあるのだ。
期待していないからこそ、スタッフにバックレられても怒りの感情は湧かない。
そして、期待していないからこそ、人から労われたときの喜びも大きいのだ。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら