活況の国産ビンテージ、旧車とカスタムの親和性 レストア+αの復元が旧車ブームを牽引する

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
オールドスターモータースが展示していたハコスカのリアビュー(筆者撮影)

オールドスターモータースの担当者によれば、この車両は「レストアを兼ねて、オリジナルのパーツを開発中」だという。ハコスカに限らず、多くの国産旧車は、純正部品のほとんどが生産終了となっているケースが多い。とくにハコスカのような人気モデルは、中古パーツも流通量が少なく、入手困難だ。そこで、現存する車体などから型を取り、オリジナルパーツを製作することにしたそうだ。

オリジナルパーツとして開発したカーボン製のルーフ(筆者撮影)

パーツの素材にカーボンを使っているのは、同社の板倉日出生代表がモータースポーツ好きであり、この車両でレースに出る計画もあるためだ。軽量なカーボンパーツであれば、古いモデルでも加減速時などの動力性能、カーブでの旋回性能などを向上できる。結果としてレースはもちろん、一般道のワインディングなどでも、より走りを楽しめるわけだ。

ちなみにカーボンパーツの素材には、熱可塑性CFRPを使っている。従来、カーボン製パーツの製造には、巨大な炉を使い長時間熱する必要があり、多数の製品を製造することは困難だった。一方、熱可塑性CFRPには、熱を加えると軟らかくなり、冷やすと固まる樹脂を使用する。アルミ鋳造のように、熱した樹脂を金型などに流し込んで冷やせば製造できるため、製造時間の短縮化や大量生産にも適している。

同社では、この製法を用いることで、製品のコストを低減。例えば、フロントボンネットの価格(税込み)は6万6000円、ルーフは4万4000円。これらパーツは、従来品なら10万円を超えるものが多い中、リーズナブルな値段を実現している。

今後も、同社は型が取れる車両を探しながら製品開発を進めるというが、問題は内装部品。外装以上に形状を保っている車両が少なく、なかなか型取りが進まない。それでも、じっくりと時間をかけ、低価格で高品質な製品作りを目指すという。

1970年代前後の国産旧車向けパーツが多数出品

スピードフォルムのS30型フェアレディZ(筆者撮影)
スピードフォルムのハコスカ(筆者撮影)

日産系の旧車では、ほかにも東京都のスターロードが1969年発売の日産・フェアレディZ初代「S30型」に、オリジナルエアロを装着した車両を展示。また、大阪府を拠点とするスピードフォルムでも、同じくS30型フェアレディZやハコスカの外装を独自パーツに換装した車両を展示していた。

スターロードのS30型フェアレディZ(筆者撮影)

いずれも、前後バンパーなどのデザインは、スタイリッシュかつアグレッシブなイメージ。また、当時活躍したレーシングマシンのように、オーバーフェンダーと極太のタイヤを装着し、スポーティなフォルムも実現する。

次ページ走るために必須の機能系パーツも続々登場
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事