活況の国産ビンテージ、旧車とカスタムの親和性 レストア+αの復元が旧車ブームを牽引する
また、スポーツカー以外のSUVモデルでも、1960年に発売した「ランドクルーザー」40系を2021年に対応車種へ加えている。いずれも少量生産ということで、純正部品といえども価格は比較的高めだ。例えば、2000GTのファイナルギアキット(品目:デファレンシャルギヤ)は税込み55万円もする。だが、それでも前述したように、旧車オーナーにとって、愛車が走れなくなるより、ある程度の出費がかさんでも乗り続けられるほうがいいのだろう。
第2世代GT-Rやセブンなども復刻パーツが登場
なお、近年、こうした国産旧車の復刻パーツ販売は、トヨタだけでなく、他メーカーでも取り組んでいる。例えば、日産では、「スカイラインGT-R」のR32型(1989年発売)やR33型(1995年発売)、R34型(1999年発売)、マツダが「ロードスター」の初代NA型(1989年発売)や「RX-7」の2代目FC型(1985年発売)と3代目FD型(1991年発売)。ホンダでも、1991年に発売した軽オープンスポーツ「ビート」などの純正部品を復刻販売する。
いずれも日本だけでなく、世界的に愛好家が多いモデルばかりだ。従来、国産車は、「生産終了から10年経つと純正部品が入手しづらくなる」といわれてきた。対して、海外メーカーでは、例えばドイツのフォルクスワーゲンが長年生産したビートル、英国の高級車ロールスロイス、アメリカ車でも1960年代や1970年代のマッスルカーと呼ばれるスポーツカーなどは、生産終了モデルでもパーツの入手が可能なものが多い。メーカーからの供給だけでなく、サードパーティ製パーツなどが充実しているためだ。今後は、国産車でも各自動車メーカーだけでなく、前述したトラストのワンオフパーツといったアフターメーカーなどのサービスがサードパーティとして充実すれば、旧車の維持やレストアはよりやりやすくなるだろう。
近年、1980年代から2000年代前半の国産スポーツカーは、世界的に人気で、中古車価格は高騰している。そのぶん、機能パーツの需要も上がり、部品を供給するメーカー側にとってもビジネスチャンスだといえる。ひいては、かつて世界のレースなどを席巻した「高性能な日本車」という文化を守ることにもつながる。対応車種の拡大も含め、今後の動向が気になるところだ。
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