活況の国産ビンテージ、旧車とカスタムの親和性 レストア+αの復元が旧車ブームを牽引する

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旧車のサブスクリプションとして、キントがセリカLBを展示(筆者撮影)

国産旧車の人気は、車両や部品の需要増だけにとどまらず、サブスクリプションといった新しいビジネスにも波及しているようだ。当イベントと併催された「東京アウトドアショー2022」には、トヨタが展開するサブスクリプションサービス「キント(KINTO)」のブースも出展されたが、そこにもなんとビンテージカーが並んでいたのだ。

セリカLBのリアビュー(筆者撮影)

展示されたのは、1973年に発売された「セリカLB(リフトバック)2000GT」。1970年代に大人気となったスペシャリティカー「セリカ」の派生機種で、スポーティなファストバックスタイルを持つ3ドアの2+2クーペだ。リフトバックという名のとおり、車体後方には大型のテールゲートを備え、リアのシートバックを倒せばカーゴスペースにもなる。スポーツモデルながら荷物の積載性も高く、サーフィンのボード、キャンプ用品など、当時流行したレジャー用品も積むことが可能なことで、若者を中心に大人気となったモデルだ。

ビンテージクラブ・バイ・キントの概要(筆者撮影)

キントのサブスクリプションサービスは、基本的にトヨタの新車を毎月定額で乗れるサービス。実際にブースには、アウトドア愛好家にも人気のSUVモデル、「ライズ」や「ヤリスクロス」といった新型車が並んでいた。その中で、なぜ旧車も展示したのだろう。それは、キントでは現在「ビンテージクラブ・バイ・キント(Vintege Club by KINTO)」という新サービスを検討中で、それに対するユーザーの反響などを知るためだ。

旧車のサブスクリプションという新サービス

キントの担当者によれば、新サービスは、まさに「旧車のサブスクリプション」。毎月定額で、稀少なクルマのオーナーになれるというものだ。「とくに50~60代のユーザーから要望が多かった」ことで発案したという。そうした世代にとって、例えば、今回展示されたセリカLBのような旧車は、まさしく青春時代に憧れだった1台。「一度は所有してみたい」という声が多いこともうなずける。

ただし、車両は現在、今回の展示車も含め2台しか在庫がない。かなり貴重なモデルだからだ。そのため、月額料金も「具体的金額はまだ未定だが、ほかの新車に比べると高くなる方向で、(契約前の)事前審査も厳しくなるだろう」という。それでも、もし新サービスが開始されれば、かなりオーダーが殺到することが予想される。なぜなら、キントのサービスは、契約期間にもよるが、基本的にメンテナンスや車検の費用なども込みの定額制だからだ。

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