「好奇心を持ち、追求する事」が感性を豊かにする 新しい価値や情報を手に入れると視野も広がる

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■「地元の名産」をプレゼントしてみる

近年、年賀状を送りあうことは、若い世代には一般的ではなくなってきました。1年に1回の便りだけでつながる関係もあり、日本の良き文化でしたが、今やその近況報告はSNSに取って代わられてしまいました。

その代わり、というわけではありませんが、お中元とお歳暮の文化を大切にしてみてはいかがでしょうか。なぜなら誰かのためのプレゼントを選ぶことは、自らの住む地域に目を向ける良い機会になるからです。自分が住む地域の名産や特産品を探してみると、意外な発見があるかもしれません。

たとえば、東京の名産品だと思われている佃煮は、じつは大阪に由来があることをご存じでしょうか?

佃煮は、東京の隅田川河口の島である佃島が発祥のため、この名前がつきました。しかし、この島が佃島と呼ばれる由来は、徳川家康の時代にさかのぼります。今の大阪市西淀川区佃(昔の摂津国佃)の漁民たちをここに移住させたことから、その名にちなんで、佃島と名づけたのです。

つまり、もともとは大阪出身の漁民たちがつくったものが東京の名産品になっています。今や東京に限らずどこでも手に入る佃煮ですが、そのルーツは大阪にあったのです。自分が住む地域を調べてみると、思わぬところで、こういったつながりが見つかるかもしれません。

「いつもの贈り物」が一家の風物詩に

それに、「自分だけの自慢の品」を贈ると、相手の記憶にも残ります。私はお中元やお歳暮を贈るとき、毎年同じ物を贈るようにしています。人の好みによって多少は内容を変えますが、私のお贈りしたものが、そのおうちの風物詩になってくれたらいいなという思いからです。

我が家と同じように、毎年同じ時期に同じものを風物詩のように贈ってくださる方もいます。季節の果実や土地の名産などが届いたときは、それをいただきながら、食卓でその方の話題に花が咲きます。御礼のお電話をして、久しぶりにお話しもします。同じように、食卓で自分のことが話されているかもしれないなんて想像すると、ワクワクしますよね。

「センスがいいな」と思う方は、郷土の自慢の品と、それにまつわるストーリーを知っています。全国的に人気な商品を贈るよりも、お中元やお歳暮を機に、地元や出身地などに目を向けてみましょう。それをきっかけに自分のルーツに興味を持てるようになり、世界が広がっていくかもしれません。

■「わかった」と言うのをやめてみる

「わかりました」と「申し訳ありません」は、危険な言葉です。なぜなら、「わかった」気になっていることが世の中にはとても多いからです。

自分に過失があった場合は、それを受け入れて謝罪する。おそらく小さいころから、どのご家庭でも徹底的に教えられることでしょう。ですが、「謝罪する」ことと「理解する」ことは違います。その場を収めることを優先するあまり、理解していないにもかかわらず、「わかりました」と言っていることはないでしょうか。もしくは過去の体験にそってものごとを一般化して「理解したつもり」になっているのだとしたら、とてももったいないことではないでしょうか。

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