レクサス「NX」は、何が新しいのか トヨタ7年ぶりのターボ車が映す時代の変遷
クルマ好きには常識だがターボエンジンとは簡単に言うと、通常のエンジン(自然吸気、NAなどと称される)から本来は捨てるだけの排気ガスを活用して出力に転換する仕組みだ。NAエンジンと同じ排気量なら、より大きなパワーを出せるのが特長の一つである。
近未来のシステムが搭載
最新モデルゆえの先進機能で驚いたのは、フロントガラスに次の交差点のレーンが映し出されるシステムだ。まっすぐ走っているつもりが、急に右折レーンに入ってあたふたするということも減るだろう。信号で止まるとアイドリングストップ機能が働く。その秒数がデジタル表示されるのも近未来(すでに現実だが)の雰囲気だ。
レクサスは「RX」という高級クロスオーバーSUVで先行してきたが、BWW「X1」「X3」、アウディ「Q3」「Q5」、メルセデスベンツ「GLK」などドイツメーカーが一回り小さなタイプを投入。このコンパクト高級クロスオーバーSUVでみるとレクサスは劣勢にあり、トヨタ自動車としてはNXの投入で反撃に打って出た格好となる。
車体の大きさでいうとNXは全長4630×全幅1845mm。RXは全長4770×全幅1885mm。ちなみに5ナンバー車の全幅は1700mm未満なのでNXはそれに比べると明らかに大きいが、RXと比べれば取り回しは楽なのだろう。普段は5ナンバーの国産車に乗っている記者も、NXは大きなクルマだという印象があったが、乗ってみると意外と大きさのストレスは感じなかった。
NX200tはスポーティな味付けになっていて、足回りはラグジュアリーなクルマに比べると硬めの印象を受けた。高級SUVゆえにゆったり走れば静か。アクセルを踏み込んで加速するようときには、エンジン音がしっかり聞こえてくる。
しばらく走っていて、スピードは出ているのに遅い感じがすることに気がついた。記者は自家用で国産の1800ccエンジンのミニバンに乗っているのだが、自分の車だと時速40kmぐらいの感覚が、NXは時速60kmぐらい。静粛性能の高さや車体のガッチリ感に加えて、座席位置が高く視界が広いことも影響しているのだろうが、高速道路でのクルージングはかなり楽だろうと感じた。