新iPad、押さえておきたい4つのポイント

安くなった旧機種が普及拡大の大きな武器に

特に注目すべきは、249ドルから購入できるiPad miniと、299ドルから購入できるiPad mini 2の存在だ。

前掲とは別のIDCのレポートでは、今後は途上国も含めて、タブレット市場の成長は鈍化するとみられている。先進国市場では、セルラーモデルへ需要が移行し、平均価格は373ドルへと高止まりする。一方途上国では、サイズの小さなタブレットに需要が集まり、平均小売価格は307ドルまで下落する。

iPad miniとiPad mini 2のラインアップは、7.9インチと小型で、平均価格のほぼ上限に位置するように設定されており、ターゲットとなる市場は、アジアをはじめとするこれからタブレットが普及する各国に向けられているのだ。

もちろんアップルはiPadをプレミアムブランドとして確立していくことは間違いないとみられるが、手の届く高級ブランド、という絶妙な設定を仕掛けてきたとみている。

また、元々iPadは教育市場向けやエンタープライズ市場向けに展開してきた。1度に多くの台数を導入する際、もちろん価格が問題となる。旧モデルの価格を下げて併売する大きな理由となっているのだ。

「iTunes U」という魅力

筆者は、コードアカデミー高等学校の副校長を務めている。導入する学校の視点で考えてみると、確かにデバイスの価格が安いことは重要だが、単純にデバイスのコストだけでは比較できない。同じタブレットでもメンテナンスにかかるコストと、トレーニングが必要な場合の時間や労力も、この価格に上乗せされる材料だ。また、デバイスを生かすための環境も、独自に開発しなければならない。

アップルのiPadの場合、iTunes Uアプリが大きな魅力となる。生徒はiTunesのコースコードを指定するだけで、自分の学校のオンラインコースを履修することができる。アップルの強力なサーバにコンテンツが格納されるため、サーバが混雑して新学期にダウンロードできないということはない。また教員も、自分のiPadのiTunes Uアプリを使ってiTunes U向けの授業コンテンツを簡単に制作でき、議論を含む授業運営も行える。

アップルはデバイスに加えて、そのデバイスが光るプラットホームを提供している。App Store、iTunes Store、iBookstoreがこれに当たるが、教育についてはiTunes Uとして無料で提供しているのだ。

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