新iPad、押さえておきたい4つのポイント 安くなった旧機種が普及拡大の大きな武器に
アップルにとってのメリットは、これまで各キャリア向けにパッケージを分けていたセルラー版のiPadを、1つのパッケージでまかなうことができるようになる点だ。導入される米国ではこれまで、4種類のパッケージを用意しなければならなかったが、未対応のVerizon向けを用意すれば、残りは単一のパッケージで良い。
まだインパクトが薄いように見えるが、世界中の100を超えるキャリア向けにパッケージを用意してきたアップルからすれば、だんだんと生産の効率化を進めることができ、在庫の通信会社ごとの偏りを解消することができるようになるだろう。
ユーザーのメリットも大きい。もちろん前述の裏返しで、自分が利用したい通信会社向けのiPadの在庫を血眼で探さなくて済むようになる点で、iPadを手に入れやすくなるだろう。また、常にセルラー版が必要ではない場合や、海外へ旅行に行った際など、短期的なデータプランが必要な場合にも、SIMカードを探したり、通信会社のショップへ駆け込んだりする必要がない。
日本の携帯電話会社がどのようにアップル SIMに対応していくのかはまだ分からないが、例えば東京オリンピックを控えて多くの旅行者やビジネスパーソンが日本に押し寄せる際、彼らが空港でレンタルケータイの列に並ばなくても、iPadの上から対応する通信会社とプランを選ぶだけですぐに通信が始められるようになるはずだ。
T-MobileのCEO、John Legere氏はアップルの発表後、興奮したようなツイートを投稿していた。同社は「Uncareer」というビジョンを推し進めており、これまでの携帯電話会社のように2年契約で縛って高い料金を支払わせる仕組みをいかに打ち破るか、という様々な施策を打ち出してきた。
その中でも強調していたのが「選択の自由」であり、今回のアップル SIMについて、「かねてから言ってきた選択の自由に、アップルが同意してくれたようだ」と発言している。
残された過去のラインアップの2つの重要性
第4のポイントが、最新モデル以外にも、たくさんの過去のiPadがラインアップに残された点だ。これまでも、最新モデルと旧モデルを併売してきたが、今回は初代iPad mini、iPad mini 2、iPad mini 3、iPad Air、iPad Air 2がラインアップに残された。それぞれ、価格の順でもあり、サイズの順でもある。ちなみに、厚さはiPad Air 2が最も薄い。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら