ここまで複業が盛り上がっている理由の1つは、コロナ禍で働き方が変化したこと。在宅勤務(リモートワーク)を経験したことも一因だろう。往復の通勤時間がなくなり、接待や飲み会も激減。職種や個人の適性にもよるが、業務生産性が向上した人も多い。自由に使える時間が増えたことで、「自分には関係ない(無理だ)」と思っていた複業に手が伸ばせるようになった。
残業時間=残業代が減ってしまった分、違う仕事で収入を補填したいという切実な理由もあるだろう。上述の調査でも、複業をしたい理由のトップは「収入を上げたい(73.1%)」だった。一方で、「自分の可能性を広げたい(41.6%)」「スキルアップを図りたい(37.2%)」など、自身のキャリア・自己実現のために本業とは別の仕事に挑戦したい人も増えている。
企業側のハードルも下がっている
個人以外でも、実は企業側の要因もある。複業のハードルが下がっているのは企業も同様だ。人手不足で正社員以外での活用を前提とした業務設計が進んだことに加え、リモートワーク環境を整備せざるをえなかったことで、柔軟な働き方を受け入れる素地が増えた。オンライン会議やチャットツールの普及によって、外部からその会社の仕事にアクセスしやすくなったのはその好例だ。
自己研鑽のために複業をしたい個人と、柔軟な働き方を受け入れる企業が増加した結果、新たなトレンドとなりつつあるのが、言うなれば、社会人インターンシップのようなお試し複業。「本業の会社だけでは経験できないことを社外で試してみたい」「いきなり転職するのはハードルが高いけど自分が外で通用するかチャレンジしてみたい」という動機で複業に踏み出す人が増えている。バーチャルランチクラブのような緩めの世界観の複業探しの前提となるようなサービスから、ビザスク、クラウドワークスのようなすぐにでも始められるしっかりした複業探しサービスまで利用者は増える一方だろう。
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