交通事故死の4倍!「住宅内の事故死」深刻な実態 年1万3000人も死亡、2021年のコロナ死に匹敵

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古い住宅は断熱性能が低く、とくに高齢者がヒートショックで亡くなるケースが多い。中でも浴室がその発症現場となっていることが多い(筆者撮影)
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住まいは人の暮らしの中心となる最も重要な場所であり、だからこそ本来は安全・安心なものであるべきだ。しかし、現実には安全・安心への対策が十分でないために、命を落とす出来事が発生するなど、数多くの危険が潜む残念な状況がある。

本稿では、各種数字を比較しながらその危険性について明らかにするとともに、なぜ住宅に危険があるのか、事故が減らないのはなぜなのか、さらに現在、対策としてどのような取り組みが行われようとしているのかについて紹介する。頻出のテーマではあるが、寒い時期にヒートショックが増えることから改めて記事化する。

交通事故死は減少傾向

本稿において重視したいのは「住宅(家庭)内の不慮の事故」による死亡者数であるが、残念ながら2020年については厚生労働省の「人口動態統計」による詳細な数字は、本稿作成時にはまだ公表されていない。そこで、明らかにされている2019年のデータを紹介しておくと1万3800人となっていた。この数字はここ数年高止まりしている。

一方、交通事故での死亡者数は3215人(2019年)。住宅内の死亡者数は交通事故と比べ4倍超になっている。また、2020年の交通事故による死亡者数は2839人で、統計を開始して以来、最少で、初めて3000人を下回ったという。これは、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛が強く影響したものだと考えられる。

交通事故による死亡者は年々減少している(筆者撮影)

参考までに、2020年に日本国内で新型コロナ感染により死亡した人の数は、交通事故による死者数より多い3459人(厚生労働省オープンデータ)となっている。さらに、2021年のコロナ感染による死亡者数は約1万5000人(同)となり、2019年の住宅内の事故死亡者数はそれに匹敵するものとなる。

これらから住宅内での事故死者数の多さと、住まいに数多くの危険が潜んでいることを、何となくイメージでき、問題の深刻さを理解していただけると思う。

では、住宅内における死亡事故の要因はどうなっているのだろうか。それを理解しておくことで、なぜ住宅内の事故死が多いのかを理解する一助になる。

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