営業は最高の「クリエイティブの学校」である 齋藤太郎×佐渡島庸平のクリエイティブ対談2

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佐渡島:優秀な答えはAIが考えられる世の中で、「納得感を見つけるために歩調を合わせられる第三者」の存在は超重要。代理店に対して世間は人間関係で仕事を取っているイメージを持っているけど、実際は営業がクライアントに入り込んで、各組織の納得感の醸成の仕方に合わせて仕事を進めているんですよね。そうやって相手の歩調に合わせることにずるい印象を受ける人もいるでしょうけど、実はものすごく難しいこと。そこにほかの人が簡単にはまねできないすごいコミュニケーション技術が詰まっているような気がします。相手が欲しいのは答えではなく、「自分の歩調に合わせながら一緒に答えを見つける」ことなんですよね。それができるから、齋藤さんのところに継続して仕事が舞い込むのだろうなと思います。

齋藤:時には答えや解決策に誘導することもありますけどね。

佐渡島:それは気持ちいい誘導ですよね。本の中にも「プレゼンせずにいつの間にか決まっている」エピソードがありましたけど、それは重要だなと思います。

佐渡島 庸平 コルク代表取締役社長CEO/ 編集者

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さどしま ようへい / Youhei Sadoshima

1979年生まれ。中学時代を南アフリカ共和国で過ごし、灘高校に進学。東京大学文学部を卒業後、2002年に講談社に入社し、『週刊モーニング』編集部に所属。三田紀房『ドラゴン桜』を担当。小山宙哉『宇宙兄弟』のTVアニメ、映画実写化を実現する。伊坂幸太郎、平野啓一郎など小説も担当。2012年、講談社を退社し、クリエイターのエージェント会社・株式会社コルクを創業。インターネット時代のエンターテインメントのあり方を模索し続けている。

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齋藤 太郎 コミュニケーション・デザイナー/クリエイティブディレクター

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さいとう たろう / Taro Saito

慶應義塾大学SFC卒。電通入社後、10年の勤務を経て、2005年に「文化と価値の創造」を生業とする会社dofを設立。企業スローガンは「なんとかする会社。」。ナショナルクライアントからスタートアップ企業まで、経営戦略、事業戦略、製品・サービス開発、マーケティング戦略立案、メディアプランニング、クリエイティブの最終アウトプットに至るまで、川上から川下まで「課題解決」を主眼とした提案を得意とする。サントリー「角ハイボール」のブランディングには立ち上げから携わり現在15年目を迎える。

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