『教行信証』を読む 親鸞の世界へ 山折哲雄著
主著『教行信証』の読解を通して、親鸞自身の構想の変化、思索の深化を描き出し、親鸞の教説の本質を浮き彫りにする。
『教行信証』は経典からの引用また引用で、読み通すことはなかなか難しい。その経典の意味を丁寧かつ平易に解説することで、親鸞が何にこだわり続けたのかを明らかにする。たとえば、性(さが)として悪への誘惑におぼれる愚かな人間、特に人殺しの大罪を犯したような極悪人に宗教的な救いはあるのか、彼らはいかにして救われうるのか。人間存在の深淵を見つめる親鸞の到達した地平が、明確に指し示される。『教行信証』がデカルトの『方法序説』とも比較しうる思想的営みとしてとらえられている。
岩波新書 840円
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