自動車メーカーが東京オートサロンに出展する際には、ノーマル車のほかにもカスタマイズカーを展示、あるいは発表することが通例となっている。日産は今回、参考出品車として「フェアレディZ CUSTOMIZED PROTO」をサプライズで公開した。
1970年にレース用チューニングモデルとして作られた「432R」を彷彿させるオレンジとブラックのボディカラーを纏ったカスタマイズカーだ。ホワイトレター仕様のダンロップ「SP SPORT MAXX」タイヤと19インチアルミホイール、そしてワイドになったタイヤ&ホイールを収めるために装着されたオーバーフェンダーが目を引く。
さらにカーボン製のリップスポイラーや大型リアスポイラー、さらにはデュアルエキゾーストマフラーを装着。どこかアメリカンスポーツカーのような出で立ちで、ノーマル仕様の新型フェアレディZの注目度を凌駕するほどの存在感を放っていた。
同モデルについて前出の田村氏は、「オートサロンのために作った日産としてのカスタマイズの表現です。なので、いつか売りたいと思っています」と、市販化の可能性を示唆した。
ジャパニーズ・スポーツカーの役者は揃った
2019年にトヨタ「GRスープラ」、2021年にトヨタ「GR86」、スバル「BRZ」、そして2020年にフェアレディZと、日本のFRスポーツカー市場は今、再び盛り上がりを見せている。
次世代に向けBEV(電気自動車)への転換が求められている世の中ではあるが、メーカー同士は、互いを意識しながら「スポーツカーを絶やしてはならない」と考えているのは間違いないだろう。
事実、トヨタやスバルはモータースポーツ活動に積極的だし、東京オートサロンのプレスカンファレンスに登壇したトヨタの豊田章男社長は「Zには負けませんから」と、新型フェアレディZを意識していることをハッキリと示していた。
ジャパニーズFRスポーツの役者が揃った今、これらのモデルが日本、そして世界のスポーツカー市場に与えるインパクトを、ガソリンエンジンとMTを駆使して走るスポーツカーのファンである筆者は、大いに期待している。
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