さらに新型フェアレディZ日本向けモデルの発表のあとには、商品企画の責任者であるチーフ・プロダクト・スペシャリストの田村宏志氏と、日産でレーシングドライバーとして活躍する松田次生氏のトークショーも開催された。田村氏は、開発者としてフロントグリルのデザインにこだわったという。
「405馬力のエンジンを入れたので、馬力・トルクがともに従来モデルに比べて2~3割上がっていて、それだけのアップに対応するには、冷やしもの(ラジエーター・コンデンサーなど)をキチンとしなくてはいけない。そのため、先代モデルに比べて明らかに冷やすための装備が増えています。どうやって、冷やすための風をうまく入れるかを綿密に計算してデザインしているため、グリルを取ったり下手なグリルを装着すると、まったく風が入らないこともありえます」
新型フェアレディZのアイコンとも言える印象的な真四角の大きなグリル形状は、冷却性能を考慮した機能的な形状だったというわけだ。
メーターはレーシングドライバーが監修
さらなるトピックとして、インテリアに採用された「アドバンス・ドライブ・アシストディスプレイ」が、松田選手によるデザインであることが明らかにされた。
松田氏は、田村氏から「サーキットなどを走る際に理想とするメーターを作ってほしい」と依頼され、以前から気になっていたタコメーター(回転計)のレッドゾーンの指針やシフトアップインジケーターの位置などを理想的に配した手書きのイメージ図を描き、完成まで監修を務めたという。
「僕はサーキットを走る際に、コーナーを時速何キロで脱出したかを見るんですよ。今、いつもより2km/hぐらい速いスピードで脱出できたというように。でも、やはりメーターを見るために目線をはずしたくないので、見やすいところに持っていきたい。これは他のメーカーさんはどこもやっていない、僕のこだわりです」
メーターの視認性は、サーキットでのラップタイムや安全性にも影響するものだ。こうした細かい部分の積み重ねが、"乗りやすいスポーツカー“を生み出すのだろう。
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