第6波への対応を決定的に誤らない為の政策提言 オミクロン流行を踏まえて採りうる3つの方向性

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一方、第6波の重症化率を引き上げる要因もあるが(ワクチンの重症化予防効果がデルタ株よりも低下、感染者における高齢者割合の増加等)、そうした影響を考慮しても、第6波では第5波よりも重症化率が大幅に低下する可能性が高い。

もちろん、不確実性はまだ残っている。楽観的なシナリオであれば、重症化率は、第5波の20分の1から30分の1にまで小さくなる。悲観的なシナリオでは約30%しか減少しない。同じく仲田泰祐・岡本亘による「第六波における重症化率・致死率:東京」(2022年1月13日)では重症化率の推移を毎日モニタリングしているが、基本シナリオよりも低い数字に収束する可能性は現時点では十分にあると言ってよい。

(外部配信先ではグラフや画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

図1:第3・4・5・6波におけるリアルタイム重症化率推定値の推移(仲田泰祐・岡本亘「第六波における重症化率・致死率:東京」2022年1月13日)
図2:第3・4・5・6波におけるリアルタイム致死率推定値の推移(仲田泰祐・岡本亘「第六波における重症化率・致死率:東京」2022年1月13日)

現在の新型コロナ感染症対策は、医療提供体制の逼迫度でレベル分けをしている。第6波の重症化率が4分の1になるという想定を受け入れると、大雑把に言うと、感染者数が第5波の4倍になっても東京都の現在のコロナ病床数は持ちこたえられる。大阪府でも第5波の5倍になっても現在のコロナ病床数が持ちこたえられるということになる。

第6波対応の難しさは、オミクロン株の伝播性を加味すると、何かしらの感染拡大抑制の力が働かない限り、第5波の5倍を大幅に超える感染者数が出てくる可能性が高いことである。さらには、そのように感染者数が多くなり、現状のルールでは勤務できない医療関係者が多くなれば、別のタイプの医療問題が発生する。

対策の3つの政策のオプション

第6波の感染拡大スピードの速さと重症化率の低下という特性を踏まえたコロナ政策のオプションとしては、次の3つが考えられる。

A:強い行動制限
B:「医療逼迫に伴う人々の自主的な行動変容・人々の価値判断」による感染収束
C: (従来の感染症法の枠組みの中で)一時的なコロナ医療体制の変更

各政策オプションについて説明しよう。

A: 強い行動制限

オプションAは、飲食店の営業制限、イベント開催制限などを含んだ緊急事態宣言による強い行動制限を行うことにより感染拡大を抑え込むという、従来の政策を第6波でも行うというものである。

このオプションには、3つの利点がある。

第1に、将来、重症化率・致死率を削減できる3回目ワクチン接種や治療薬が利用可能になるまでの時間稼ぎができる。時間稼ぎは、累計重症患者数・累計死亡者数減少につながる。行動制限は短期的には経済にマイナスの影響を与えるが、強い対策を短期集中で行えば、中長期的には経済にとっても必ずしもマイナスではない可能性も指摘されている(東京大学 藤井大輔・仲田泰祐「次の研究事態宣言の指針」2021年4月6日)。

第2に、これまでにも試されてきた政策なので、一般の人々に説明しやすい。

第3に、一般の人々の間である程度の支持がある。例えば、「やりすぎのほうがまし」を明言している岸田政権への高い支持率がそれを反映している(首相「やりすぎのほうがまし」“市中感染”初確認で対策徹底へ)NHK NEWSWEB、2021年12月23日配信)。

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