専用道化が完了「気仙沼線BRT」沿線の現状は?

観光地の大島はモノレールに期待・気仙沼編

本吉では、8時31分発の気仙沼線BRTを待つ。ただ、この時はBRT専用道でケーブル工事が行われており、本吉を含む区間は一般道へ迂回運行していた。BRTでは防災工事や専用道そのものの補修工事により、しばしば専用道を外れた迂回が行われる。

気仙沼BRTの本吉駅(筆者撮影)

私が乗った気仙沼行きも、大谷海岸までずっと一般道を走った。8時43分着の大谷海岸で下車したのは、BRT(JR東日本)の駅、バスターミナルを道の駅と一体的に整備した「道の駅・大谷海岸」を見ておきたかったため。2021年3月28日にグランドオープンしたばかりだ。そしてここは、海岸沿いを走っていた気仙沼線の線路敷を取り込んで建設されたところでもある。

大谷海岸は長く海水浴場として親しまれてきた。1957年に国鉄気仙沼線大谷駅が設けられ、1997年には大谷海岸に改称されている。しかし津波で壊滅。復興に当たって地元は砂浜の維持を選択し、並行する国道45号をかさ上げして防潮堤を兼用する方策を採った。

そのため鉄道の跡地はその下に埋もれ、BRTも大谷海岸駅前後では恒常的に一般道を経由するルートとなったのだ。BRTの柔軟性を活かした方法とも言えるが、将来的に、すでに実験が始まっている自動運転が導入されようとした際にネックにならないか。多少、危惧している。

春には2つの新駅が誕生

なお、気仙沼線BRT自体は2021年12月28日に大谷海岸―陸前階上間の専用道化が完成。同区間内に新駅「大谷まち」、不動の沢―気仙沼間に「東新城」が、それぞれ2022年春に開業し、事業を完了する予定となっている。同じくBRT化事業が進む大船渡線も工事完成が近いが、両線とも最終的に、全線専用道とはならない。

大谷海岸駅に到着するBRT。海がすぐ近くに見える(筆者撮影)

BRT、ミヤコーバスの路線バス、気仙沼―仙台間などの高速バスが同じ場所に発着し、待合室も完備している大谷海岸駅の設備は完璧と思いつつ、次の9時33分発のBRTで南気仙沼へ向かう。この間、ずっとBRTがもっとも海に近いところを走る。

9時52分に着いた南気仙沼は漁港や気仙沼市の商業地域に近く、かつては事実上の市の中心駅であった。被災後、区画整理が行われ、空き地はまだ多いが住宅や商店などが少しずつではあるが建ち並びはじめている。

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