専用道化が完了「気仙沼線BRT」沿線の現状は? 観光地の大島はモノレールに期待・気仙沼編

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1970〜80年代の時刻表を見ると気仙沼港と、今はバスも通らない唐桑半島西岸の小鯖や鯖立などの港との間に多数、運航されていた気仙沼湾内の汽船が掲載されているが、これらは全廃された。

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大島線も御崎線も尾根筋の県道沿いの「幹」に当たる部分をカバーしているだけだ。海辺に散在する集落の極めて小規模な、震災後は人口流出でさらに減ってしまった交通需要には、もはや市民バスでも応じられず、自家用車に任せるしかない状況なのである。

いったん大船渡線BRTの駅もある八幡大橋まで戻り、30分近く待って、1日3往復の大沢線の最終便。15時03分発で締める。先にやってきた御崎線に年配者ばかり何人も乗ると思ったら、目の前にあるパチンコ屋帰りの客だった。やはり気仙沼市立病院からやってきた大沢線の乗客は、2人だけ。

三陸道開通で交通量に変化

このあたり、大船渡線BRTも大沢線とともに一般道を走るが、あちらは途中、三陸自動車道を経由する。ミヤコーバスは国道45号の旧道を進み、只越上からは御崎線とは反対に北へ向かう。終点の大沢までは19分、560円。まだ空き地が多いところだった。

BRTの唐桑大沢駅と同じ場所にある大沢バス停(筆者撮影)
県境の標識。ここから先が岩手県陸前高田市(筆者撮影)

大沢バス停は、2019年に新設された大船渡線BRTの唐桑大沢駅と同じ場所だが、次の陸前高田方面行きは約1時間後。見覚えていたコンビニエンスストアは閉店しており、行き場を失う。ただ、馴染みの宿までは徒歩30分ほどとわかり、気候も穏やかだったので国道を歩き始めた。復興工事の進捗と三陸道の開通が大きく影響し、以前と比べて交通量は極端に減っている。コンビニエンスストアの閉店もやむをえまい。

十数分歩いたところで県境の標識が現れた。南端の岩沼市から7回に分けてたどってきた宮城県はこれで「卒業」。次回から岩手県に入る。

土屋 武之 鉄道ジャーナリスト

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つちや たけゆき / Takeyuki Tsuchiya

1965年生まれ。『鉄道ジャーナル』のルポを毎号担当。震災被害を受けた鉄道の取材も精力的に行う。著書に『鉄道の未来予想図』『きっぷのルール ハンドブック』など。

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