BRTは赤字・被災鉄道よりも大都市にふさわしい

地方でなく都市圏での導入にメリットがある

名古屋市などを走るガイドウェイバス「ゆとりーとライン」。バスの両側面のガイドレールに沿って走る(筆者撮影)

2017年の豪雨で被害を受け、不通、バス代行が続いていた日田彦山線添田―夜明間について、5月末、地元自治体とJR九州との協議が、一応の決着を見た。鉄道での復旧は断念。BRT(バス高速輸送システム)の整備を行う方針である。

細部については、これからさらに協議が続き、最終的なBRT計画案が決定するであろう。福岡県の小川洋知事の提案による、彦山―宝珠山間の線路敷をバス専用道化。それ以外の区間(添田―彦山間、宝珠山―夜明間)は一般道を走行し、地域の中心都市である日田まで乗り入れるルートで落ち着きそうだ。

この案は、専用道化予定区間にある長大トンネルを活用して所要時間短縮を図り、かつ鉄道での復旧を強く求めていた福岡県東峰村内の区間をすべて専用道とするものだ。

そもそもBRTとは?

BRTとは「Bus Rapid Transit」の頭文字を取ったものである。ただし、日本においてはとくに明確な定義があるわけではない。おおまかな認識としては、基本的にバス専用道を走り、交差点では優先通行権が与えられ、一般道でありがちな渋滞などによる遅延の防止を主目的とした、路線バスの車両を活用した公共交通機関となる。

一般道を走る、日田彦山線の代行バス。マイクロバスが使われる便もあるほど、利用客数は少ない=2017年12月(筆者撮影)

バスの弱点である「定時性の確保」は専用道を建設して克服。かつ一般道も走行できるから、運転系統にも融通が利く。また、専用道の構造はアスファルト舗装で十分で、一般道ととくに変わらず、鉄道の線路と比べて建設は容易だ。初期費用、維持費用も鉄道より安くなる。さらに、既存のバスでもそのまま使える。BRTにはこういった利点がある。

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