成果をあげない人ほど働き、「忙しい」と嘆くワケ 生産性の高い人が決してしないシンプルなこと
性質の異なる作業を同時にいくつもこなそうとすると効率が落ちます。しかし、ビジネスパーソンの典型的な1日を考えると、朝から上司に報告したり指示を仰いだり、取引先のメールに対応し、資料をつくり、その間に会議や打ち合わせに参加し、クレーム対応をし、部下の相談にまで乗ったりしています。
こういう人は、一見できるビジネスパーソンに見えますが、一つひとつの仕事の効率は決してよくありません。ミシガン州立大学の実験でも、複数の仕事を同時にこなそうとする人は、一つの仕事に専念する人よりも生産性が25%も低かったそうです。
また、内閣府の調査「ワーク・ライフ・バランス社会の実現と生産性の関係に関する研究」によれば、1人当たりの労働時間が10%減少すると、1時間当たりの労働生産性は25%高まる、と報告されています。
つまり作業量が減れば、生産性はあがる。
作業量が増えれば、生産性は下がるのです。
考えてみれば、当たり前ですよね。やることが多くなって、忙しくなれば、それだけ集中力が落ちます。脳の働きも下がってきて、後半になればなるほどパフォーマンスが落ちてきます。
さらに自分のキャパシティを超えてくると、ストレスがたまって、体調がくずれる。どんどん生産性が低くなるので、成果も出なくなるというわけです。あれもこれもやろうと思って、仕事量を増やしてしまうと、一つひとつの成果も低くなっていくだけです。
少ないことを集中してやったほうが、より早く仕事は終わるのです。だから作業量はできるだけ減らしたほうがいいのです。
「仕事が多くて」と自慢げに言う人を見たら・・・
長く職場にいて、たくさん仕事をするほうが、高く評価される時代が続いていましたが、これからはそういう時代ではないのです。「いやあ、仕事が多くてね」と自慢げに言う人を見たら、「いやあ、仕事をこなす時間が遅くてね」と言っているのと同じだと思いましょう。
これからの世の中は、生産性がとても重要になってきます。どれだけたくさんの量の仕事をこなしたか、ではなく、どれだけ短時間に質の高い仕事ができたか、生産性に評価のポイントが移っていくでしょう。要するに、できるだけ働かずに、成果をあげられる人が高評価を得るのです。
しかし現状ではあいかわらず、長時間働いて、実は成果もそれほどではない、生産性が低い人が幅をきかせている職場もあります。自分の職場がまだ旧態依然として、そういう人たちがたくさんいるなら、彼ら彼女らを反面教師にして、そうはならない方法論を学んでいく勉強の場にしてしまうのもいいでしょう。
生産性が低い人の特徴は、全体を俯瞰するプランがなく、ゴールも設定されていないことです。サラリーマンの仕事でも、だいたい「いつまで」という期限は決まっています。でも、「これだけの時間内にこれだけの仕事をやる」ということを意識して、時間を使っている人はあまりに少ない気がするのです。
冷静に考えたら、毎日仕事に割ける時間は決まっているはずです。だからその時間を意識して、プランを立てる必要があります。
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