私が楽天による買収を受け入れたワケ スライステクノロジーズのブラディCEOに聞く

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スライステクノロジーズCEOのスコット・ブラディ氏。シリアルアントレプレナーとして、またビジネススクールの教員として、シリコンバレーのスタートアップ環境に深く関与している。

楽天は、日本企業の中でも数少ない、グローバル化するEコマース市場にチャレンジしている企業だ。楽天のグローバル戦略の中で、魅力的なスタートアップや起業家との出会いは、欠かせないピースとなりつつある。

楽天が買収したシリコンバレーのスタートアップ企業「Slice Technologies(スライステクノロジーズ」と、その創業者でCEOのスコット・ブラディ氏は、楽天との関係をどのようにとらえているのか。シリコンバレーのパロアルトにあるスライスのオフィスを訪ね、話を聞いた。

スライステクノロジーズとは?

スライスとは、Eコマースビジネスの中で、どのような役割を担う企業なのか。ここを紐解くと、「なぜ楽天が買収したのか?」を理解する助けにつながるだろう。

ブラディ氏はスライスについて「データサイエンスが出発点」と紹介した。Eコマースで買い物をすると、メールでレシートや配送の情報が送られてくる。その人が、どのEコマースサイトで、いつ、何を、いくらで購入し、それがどんな配送手段でいつ届くのか、という情報がわかる。

しかし我々は、1つのサイトだけで買い物をするわけではない。複数のサイトで、様々なものを同時進行的に購入している。そのため、何がいつ届くのかを把握するだけでも、複数のEコマースサイトのマイページを探したり、届いているメールを見つけ出さなければならない。

スライスはこうしたメールの情報をまとめて、ウェブまたはアプリですべての買い物を把握できるようにしてくれる仕組みを提供してくれる。これだけでも、消費者にとっての利便性は非常に高まる。加えて、いくつかの解析を提供してくれる。

たとえば、その人が、何にどれだけの支出をしているのか、をグラフで把握できるようにしてくれる機能だ。例えばガジェットや洋服、靴、食品など、購入したものの種類と金額を読み取り、まとめてくれることによって、消費の傾向が分かる。節約したい場合、何の支出から見直せば良いのか、一目で把握できる。

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