倉本聰さん語る「北の国から」田中邦衛さんの素顔 40周年に作りたかった「さらば黒板五郎」の中身

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インタビューに応じる倉本聰氏(撮影・佐藤翔太)
先が見えないコロナ禍の2021年(令和3年)、俳優田中邦衛さん(享年88)は3月24日に老衰で、この世を去った。2012年に親友だった地井武男さんの「お別れの会」に出席後は、公の場に姿を見せることはなかった。邦衛さんの代表作となったフジテレビ系ドラマシリーズ「北の国から」(81~02年)の脚本家倉本聰さん(87)を、冬の北海道・富良野に訪ねて、その思いを聞いた。

「北の国から」主人公に邦衛さんを選んだワケ

妻と別れて2人の子ども、純と蛍を連れて電気も水道も通らない故郷の北海道・富良野へ帰る男――。倉本さんは、「北の国から」の主人公・黒板五郎に、邦衛さんを選んだ。

当記事は『日刊スポーツ』の提供記事です

「6人ばかり候補がいたんです。高倉健さんも、そうだったし。それから中村雅俊、藤竜也、西田敏行もいましたね。その中に邦さんが入ってた。この中でいちばん情けないのは誰だろうっていう話になったら、間違いなく邦さんだと。それで邦さんになっちゃった。

この主人公には僕を半分、仮託しようと思ってたから。子ども2人を故郷に連れて帰って、まいることや弱気になっちゃうこともあるだろうし、女をこさえちゃうこともあるだろう。そういう情けないことがしばしば、この男には起こるに違いないと。そのときにやっぱり健さんみたいにかっこのいい人だと、ちょっと面白くない。子どもが父親を尊敬しつつも、嫌だなこいつと。おやじ、情けないなっていうふうに思える人間というのが、ちょっと欲しくてね。それで邦さんになったんですね」

「若大将」シリーズの敵役・青大将、「網走番外地」シリーズの高倉健の舎弟、「仁義なき戦い」のヤクザ。個性的なバイプレーヤーとして確固たる地位を築いていた邦衛さんにとって、大きな挑戦となった。

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