スノボ五輪メダリストが明かす「卵子凍結」の理由 「出産した選手へのサポートがもっと必要だ」
出産したら、キャリアは終わり――?
子どもを持つ・持たないの選択、出産時期、子育てと仕事の両立など、働く女性を悩ませる「産む」にまつわる課題の数々。
特に、肉体の変化が競技の成果に直結する女性アスリートにとって、出産は選手生命が絶たれるかもしれない“大問題”であり続けてきた。
そんな中、2020年の秋、ソチ五輪「スノーボード女子パラレル大回転」の銀メダリスト、竹内智香さんが卵子凍結を公表したことが話題に。
出産のタイムリミットを伸ばし、一時は退いていた競技の世界に戻った今、22年の北京五輪への出場を目指している。
卵子凍結の公表を機に、彼女のキャリアにはどんな影響があったのか。アスリート生命と出産について彼女の考えを聞いた。
競技を続けたい。でも、子どもも欲しい
竹内さんにとって5度目のオリンピック出場となった、18年の平昌五輪。「スノーボード女子パラレル大回転」で5位に入賞した竹内さんは、その後、約2年半にわたって競技生活から距離を置いていた。
1983年12月11日生まれ。北海道出身。2002年ソルトレイクシティ大会から5大会連続で五輪に出場。2014年のソチ五輪ではスノーボード女子パラレル大回転で銀メダルを獲得した。現役選手として活躍する傍ら、19年にスノーボードキッズ育成組織「&tomoka 」を立ち上げ、今夏、北海道東川町で健康寿命延伸プログラムを始動させた。
「ソチ五輪から平昌五輪までの間に左膝前十字じん帯損傷という大怪我をしていましたし、平昌五輪の時は34歳。年齢的にもそろそろ選手としてやっていくのは限界なんじゃないかと考えたんです。それに、平昌ではその時の自分のベストは尽くせたという達成感もありましたから」
第一線から遠ざかっている間、仲間とともに雪山で純粋にスキーを楽しんだ。競技普及や育成活動にも積極的に携わった。