医系技官の存在が国民を不幸にしている--『さらば厚労省』を書いた村重直子氏(医師)に聞く


--子育て中の女医さんにもいいということですね。

それこそ、医者が足りないといわれ、辞めた医者を復帰させようという話があるほどだ。時間と働く場を自由に選択できるようなおカネの流し方をすれば、ほかの仕事をしながら診療に従事したいという人はいっぱいいるはずだ。

ドクターフィーというと、医者がまた儲けようとしているみたいなバッシングを受けたりする。そうではなくて、おカネの流れ方をちょっと変えるだけで診療のスタイルが変わり、医者の人生のスタイルが変わる。このことで、医療を受けられるチャンスが増えるととらえてほしい。

--新たな感染症や耐性菌に加えて、再び新型インフルエンザの流行も心配です。

流行があるかどうかは、予測のつかない自然の現象だからわからないが、厚労省の対応における人為的な部分は繰り返されるおそれはある。むしろ昨年の対応を正当化するような制度にしようとしている。

結局、昨年の反省はなかった。一応、総括会議をして報告書は出したが。それも、これからこんなことをしなければいけない、あんなことをするという、要するに官僚がやりたいことを並べたもの。これでは、昨年の二の舞になりかねない。

(聞き手:塚田紀史 撮影:今 祥雄 =週刊東洋経済2010年9月18日号)

むらしげ・なおこ
1998年東京大学医学部卒業。横須賀アメリカ海軍病院、ニューヨークのベス・イスラエル・メディカル・センター、国立がんセンター中央病院などで内科医。2005年に医系技官として厚生労働省へ。改革推進室、大臣政策室などを経て、内閣府特命担当大臣(行政刷新担当)付。10年3月同省退職。

『さらば厚労省』 講談社 1575円 270ページ

  

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