民主党でも失敗した脱「対米依存」の試み、日本の民主化努力をオバマ政権は邪魔するな--イアン・ブルマ 米バード大学教授/ジャーナリスト


 民主党はこのことを認識していた。単なるアメリカの保護国ではなく、より対等な同盟国として、日本がより独立した役割を果たし、それによってアジアで断固とした政治的プレーヤーになることを望んでいた。その象徴的な第一歩が、負担を強いられてきた沖縄から米軍基地を他に移設することだった。

だが、アメリカの見方は異なっていた。民主党は旧来の取り決めを変更すると脅したが、アメリカは日本に何をすべきか命令することができた。アメリカは沖縄問題で日本に対していらだちを示し、民主党政府に対する軽蔑をあらわにした。これによって国民は民主党政権の能力に失望を抱くようになったのである。

アメリカは、扱いにくく、ふらついているが、より民主的なパートナーよりも、従順な一党支配の国を支持しているように見える。オバマ政権は日本の民主党政権をもっと理解すべきだ。本当に海外で自由を推進する気があるのなら、最も緊密な同盟国が民主主義を強化しようとしている努力を阻害すべきではない。

(週刊東洋経済2010年9月18日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

Ian Buruma
1951年オランダ生まれ。70~75年にライデン大学で中国文学を、75~77年に日本大学芸術学部で日本映画を学ぶ。2003年より米バード大学教授。著書は『反西洋思想』(新潮新書)、『近代日本の誕生』(クロノス選書)など多数。

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