民主党でも失敗した脱「対米依存」の試み、日本の民主化努力をオバマ政権は邪魔するな--イアン・ブルマ 米バード大学教授/ジャーナリスト
革命は、人々が絶望的な気持ちになっているときには起こらない。革命は、人々の期待が高まったときに起こるものである。革命がしばしば失望に終わる理由はそこにあるのだろう。期待があまりに高く設定されると、革命の失敗は怒りや幻滅となり、恐怖に満ちた暴力的な行動を招いてしまう。
昨年の日本の政権交代は革命ではなかった。ただ、アメリカで最初の黒人大統領が誕生した選挙と同じように、政権交代が過去との根本的な決別を約束するのではないかという期待が国民の間で燃え上がった。民主党は多くの新人を当選させただけでなく、日本の政治の本質を変えようとしていた。日本は官僚が支配する一党支配の国ではなく、真の民主主義国家になるはずだった。
日本のメディアの報道から判断すると、民主党の支持率は低下し、人々は幻滅し始めている。官僚は変化に抵抗し、政権運営に慣れない民主党の政治家は過ちを犯している。最大の過ちは、参議院選挙直前に菅直人首相が消費税引き上げを打ち出したことだ。その結果、民主党は大敗を喫した。
もう一つの失望は、普天間基地を沖縄県外に移設することができなかったことだ。民主党の約束は日本が新しい立場を取ることを意味した。かつて中曽根元首相が日本をアメリカの“不沈空母”であると表現したが、そうした立場から離脱する最初の一歩になるはずだった。
日本の民主化努力をオバマ政権は邪魔するな
日本の自民党の一党支配体制は太平洋戦争と冷戦によってもたらされた。旧枢軸国のイタリアと同じように、日本は共産主義勢力と戦う最前線の国になった。イタリアでは、アメリカに支援された右翼政党が何十年にもわたって政治を支配してきた。そして、日本の元戦犯たちは共産主義に対する戦いでアメリカの従属的な同盟者になった。