アマゾン「キンドル」が着々と日本進出準備
手にしたときは、やや厚めの新書を一冊持っている感覚で、片手で持ち続けてもあまり苦にならない。にもかかわらず、メモリ容量は従来比2倍の4ギガバイト(書籍約3500冊分)に増加、バッテリーの持続時間は2~3週間から1カ月へと増強された。
大幅な値下げも進めた。昨年11月に日本でも入手できるようになった国際版キンドル(第2世代キンドルと同等)は当初279ドルだったが、第3世代機は189ドル。携帯電話の3G回線を利用できない無線LAN限定モデルは139ドルと、かなり安い。電子ペーパーを用いた端末としては破格の値付けだ。
同じ電子ペーパーを用いるソニーが9月1日に発表したリーダーは、廉価モデル「ポケットエディション」が179ドル。タッチパネル式画面を採用しスペック面では上だが、「139ドルのアマゾン」と「179ドルのソニー」は、勢いの差を示すものといえるだろう。
アマゾンはより多くのキンドルを販売することで、電子ペーパーなど部材調達でますます有利になる。そのため、出版社との調整が煮え切らない段階であっても、有望市場である日本で売らない手はない。ソニーが今回発表の新製品を年内に日本で発売することを明らかにしているだけに、なおさらだろう。
初の海外キンドル 英国に店舗を展開
あまり注目されていないが、第3世代キンドルは技術的な点でも日本語対応が格段に進んだ。新キンドルでは、英語、ドイツ語などのラテン文字に加え、ロシア語のようなキリル文字、中国語(簡体、繁体)、韓国のハングル、さらに日本語のフォントが内蔵された。これまでのようにPDFで表示することができるうえ、キンドルのフォーマットにのっとった日本語表示が可能だ。日本語のウェブサイトも閲覧できる。
さらにアマゾンは米国以外に、初のキンドルストアを開設した。海外の第1号は、英国。8月5日に英国のアマゾンサイト内にキンドルストアを開設した。これまでは米国のキンドルストアにすべてのコンテンツが集中しており、海外からは、携帯電話の国際ローミングでデータのダウンロードを行うぜいたくな仕組みだった。
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