ネットショップ、成功の「3つのキーワード」 急拡大する「eコマース」の衝撃(下)
オムニチャネルで先行する企業としては、セブン&アイ・ホールディングスやイオンなどが挙げられる。中でもセブン&アイはグループの未来はオムニチャネルの成功いかんにかかっているとして、グループ内の各業態の融合を進め、実店舗を核にしたオムニチャネル実現へ動き出した。
各社間での送客パターンも出てきており、オムニを中軸にした、いわば“一大グループ再編”が行われようとしている。イオンも、ネットでの注文商品の店舗での受け取り、店舗内での専用タブレットの活用拡大など、「コト、モノ、ネット」が融合したオムニ戦略の強化に動いている。
リアル陣営からの反撃も
また、リアル陣営からの反攻も出てきた。丸善&ジュンク堂ネットストアは、ネット通販での注文とリアル店舗での取り置きの双方を、うまく手間なく可能にした。
アマゾンなどネット通販専業では、注文から手もとに届くまでに少なくとも1日はかかるが、ネットで注文した書籍を近くの店舗で受け取ることができれば、1時間以内に手に入るわけだ。
旅行大手のJTBやHISなどもチャネル統合戦略を強化している。JTBはクロスチャネル戦略と名付け、Web、コールセンター、店舗での相談と予約を連動し始めた。
大企業でなくともオムニチャネル戦略は可能だ。40代からのアパレルショップ、DoCLASSE(ドゥクラッセ)はネット、カタログ、実店舗すべてのチャネルに対応している。ネットで商品を選び電話で申し込む。試着するために商品は実店舗に取り寄せることもできる。そのほか、最近ではネットショップが実店舗をもつ動きが加速している。
これはリアルでの情報発信力の大きさに注目しているからだ。こういった動きはいずれチャネル統合や在庫集約に結びつき、中小事業者によるオムニチャネル化の動きを促進することになりそうだ。
一方、O2Oはネットの力を駆使して、リアル店舗へ消費者を呼び込む手法だ。最近はスマホやSNSを日常的に使う消費者が多く、O2Oの手法がさまざまな形でネットショップに活用されている。
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