普通のサラリーマンが本の著者になってみた

やりたくない仕事を我慢しながら暮らすことはない!

こりゃますます枠にとらわれていてはいけない。そう思って、ヤフー社員とか、一個人とか、そんなくくりはあまり意識せず、僕は復興支援に携わってきた。老若男女あらゆる人たちと知り合い、つながり、新しいプロジェクトを企画して、たくさん苦労もあったけれど実現させていった。

こうして知り合えたのも復興支援を通じてのことだ

従来のヤフーの仕事では会うことがなかった人たちと、復興支援を通して知り合うことができた。さらに東北では、震災で家族や友達を亡くしたり、大切な人と離れて暮らさないといけなくなった人たちとも一緒に働いた。

「もうこれ以上、悲しいことはないだろうから、これからは1日でも多く笑っていたいし、世の中を変えるようなことをしたいよね」と、何かを背負っているくせに平気な顔で、何かのために頑張る。自分のことだけじゃない、「どこまで」なんて枠をまったく考えない。そんな彼ら・彼女たちと自分も一緒にやりたい、そう思って動いてきた。

民間企業のサラリーマンが既存の枠を壊して活動すること。今、元気がないと言われる同じサラリーマンにもそれを見てもらい、「新しい形で世の中をよくする」「自分流の幸せをつかむ」と奮起する人を増やしたい。

2013年、社会的リーダーを育成するプログラム「社会イノベーター公志園」に出場してから、ようやくそんなふうに考えられるようになった。僕の動き方が面白いと注目してくれた人がいて、参加することになったのだが、参加した半年間のプログラムは想像以上に大変だった。

もやもやサラリーマンから脱皮する方法

これから社会を動かしていくにはどう気持ちを伝えたらいいか、共感を生むのか。ロードマップの作り方、事業化の仕組み、リーダーシップの取り方など、半年間さまざまなことを学んだ。さらに、大阪、名古屋、京都、仙台、東京……と全国各地でプレゼンテーションを行った。観客として来ている企業のエライ人や大学生などから率直な意見や感想をもらうのだが、これが予想以上に手厳しかった。

「被災した東北のモノを売るのは、別に長谷川さんやヤフーじゃなくてもいいのでは」

「ほかの企業でも個人でもネットショップはできる。それって大したことじゃない」

鋭い指摘の数々に応える

鋭い指摘を受けて、そのとおりだと思うことも少なくなかった。

僕らのやっている復興支援は、何のために誰のためにやっているのか。

プレゼン内容をゼロ、もしくはマイナスにまでひき戻されることで、僕自身、あらためて考えた。それはつらいトレーニングだったが、これまでやってきた活動を見つめ直すいい機会になった。そして何となく気づいた。

次ページ人を巻き込むには「下から目線」で
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