みんなの党、収まらない"浅尾vs渡辺"の内幕 家庭内別居状態の代表と前代表

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さらに9月22日には石原慎太郎氏と都内の割烹料理屋で会食。渡辺氏は「安倍政権に対する評価に共通する部分がある」と与党との連携を匂わせたという。一方で浅尾氏は同じ時刻、次世代の党の山田宏幹事長らと次期衆院選に向けた両党の選挙調整を話し合っていた。

みんなの党はばらばらになってしまうのだろうか……。ともにみんなの党を作った江田憲司氏らが党を離れて以降も、6月20日に江口克彦氏、9月11日に大熊利昭氏と離党が続いている。党内にとどまりながら、渡辺氏に対する不満を抱く者もいる。渡辺氏が召集した9月10日の会食会では、渡辺氏が浅尾氏に対する批判を口にしたとたん、「そんな話を聞きに来たのではない」と席を立った議員もいたという。

渡辺氏側近に異変

「異変」が表面化したのは数日前からだ。渡辺氏の優勢が揺らぎ始めたのだ。みんなの党関係者はこう述べる。

「渡辺氏の側近グループが、なんとか穏便にまとめようと動き始めた。側近の筆頭格の松田公太氏が浅尾氏の説得に応じたと聞いている。彼らとて、党を分裂させたくはないという思いは同じだ」

とりわけ12名の議員を擁する参院のみんなの党は、10名以上の議員という院内交渉団体の要件を満たし、法案提出権(予算を伴わない場合)や議員運営委員会の理事ポストなどを確保している。ばらばらになればこれら特権を喪失しかねない。

だが渡辺氏の顔も立てなくてはいけない。そこで「妥協案」が考えられた。そのひとつが両院議員総会に提出された【第一号議案】だ。

同議案は野党再編による政界再編を目指すことを否定し、「9月17日の役員会において『国政選挙の洗礼を経ずして与党入りしていくということを我が党の方針として、選択肢に入るべきかどうか』について、役員会における方向性として『選択肢としない』としたが、『選択肢として排除しない』とすべきである」と役員会の決議を修正した。これは渡辺氏の意向を汲んだ薬師寺道代氏の提唱によるものだ。

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