みんなの党、収まらない"浅尾vs渡辺"の内幕 家庭内別居状態の代表と前代表

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【第一号議案】はその他2つの議案とともに無事可決。会場を出た薬師寺氏の眼には涙が見えた。

だが「火ダネ」はくすぶり続ける。両院議員総会の後、渡辺氏と浅尾氏が並んでぶらさがりに応じたが、「野党再編」を選択肢に入れる浅尾氏に対し、渡辺氏は「与党再編でないと、政策を実現できない。野党再編はありえない」と持論を曲げなかった。

その理屈は通ったとしても、渡辺氏が政治に復帰する説明は十分なのか。「声を聞く会」では渡辺氏は「(化粧品会社会長から借りた)8億円がなければ、党を作れなかった」と述べている。

「政治家としてやっていく諸費用」とは?

党内では納得させることができても、党外ではどうか。国民のもっぱらの関心事は、渡辺氏が4月7日の辞任会見で述べた「情報収集とか色々な人に会う費用とか、私が政治家としてやっていく諸々の費用」(約5000万円相当)の中身である。そもそも、みんなの党は所属議員に対して収支報告書の内容を厳しくチェックし、「会合」と見せかけた飲食を禁止している。また所属議員が離党する際には党から支給した「餅代・氷代」を精算させ、余剰分を党に返還させている。

そのように厳格な規律の中で、創業者のみが「政治家としてやっていく諸費用」の内容を秘匿する必要はあるのだろうか。いくら弁護士資格を持つ三谷英弘氏ら調査チームが「違法の事実は認められない」と判断したとしても、である。

両院議員総会が開かれた同日正午、長野県と岐阜県の境にある御嶽山が噴火した。もくもくとわきあがる灰色の噴煙は登山客を次々と飲み込み、自然の脅威を知らしめた。

一方でみんなの党は噴火の勢いはない。ただそのマグマは動きを緩めず、次の機会を狙っているようにも見える。タイムリミットは次期代表選が行われる2015年9月。その時までに渡辺氏は、社会的信用を取り戻せるか。浅尾氏は代表の風格を備えることができるのか。本当の闘いは、これからである。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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