豊岡市は「命への共感に満ちたまち」を目指す

コウノトリのまちが地味に進めたこと(上)

坂之上:あぁ。

中貝:私ね、「また市民に被害がでたら、私たちはどうしたらいいんですか」っていう彼の言葉が、ストーンと腹に落ちたんですよね。

坂之上:はい。

中貝:それからなんども話し合って、最後には、これ以上、同じ被害を出してはいけない、そう決めて、工事を続けることにしました。

だけどこれだけたくさん工事を続けていたら、いずればれるだろう、とは思っていました。

坂之上:ばれるのを覚悟で?

中貝:はい。「その時は僕が責任を取る」と言いました。

意を決して行った工事が新聞のトップに

坂之上:そして、実際に、新聞のトップニュースになりましたね。その時は市民からも、かなりの非難の声があがったと伺いました。

中貝:ええ。新聞に、「補助金の不正受給」と書かれまして。その時は、「市長辞めろ」みたいな声がワーッと来ました。

坂之上:そもそもどうして、こういうことになってしまったのか、具体的に教えて頂けますか?

中貝:実は、川は6月から10月まで工事してはいけないという国のルールになっています。ご存知でしたか?

坂之上:そうなんですか?

甚大な被害を受けた、10年前の台風被害

中貝:洪水や台風、あるいは梅雨前線でけっこう川が増水するので、工事をしていると、そこが弱点になってしまうんです。それで11月になって、いよいよ工事を始めようとしたら、この年はものすごい大雪で、工事が全くできないような状況になってしまいました。

坂之上:そういう天候が続いたわけですね。

中貝:そう。台風の被害がすごすぎて、川以外にも、道路が崩れてる、山も崩れてる、下水の処理場はやられてるということで、工事をやれる業者は、そこにかかりきりになっていた。

まぁ、そんなこんなが重なって、川の工事を期間内に終わらせることができなかった。そういう感じでした。

次ページ工事をしないほうが問題、と判断した
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 今見るべきネット配信番組
  • 経済学で読み解く現代社会のリアル
  • 就職四季報プラスワン
  • 日本野球の今そこにある危機
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
コロナ時代の勝者と敗者<br>不動産 熱狂の裏側

実体経済の悪化を尻目に、国内外から熱い視線が注がれる日本の不動産。業界の雰囲気とは対照的に、上場不動産会社の株価は軒並み軟調です。コロナ後の新常態で誰が笑い、誰が泣くのでしょうか。現場の最新情報を基に不動産市場の先行きを展望します。

東洋経済education×ICT