資源分野は当社の強み、積極投資するのは当然だ--三菱商事社長・小林健

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資源分野は当社の強み、積極投資するのは当然だ--三菱商事社長・小林健

鉄鉱石など金属資源の価格再上昇が追い風となり、好業績を謳歌する総合商社。2010年度は5大商社の合計連結純益が1兆円を軽く突破し、過去2番目の水準になる見込み。中でも最大手の三菱商事は、資源メジャーと豪州で合弁展開する原料炭(鉄鋼用石炭)の開発生産事業が巨額の利益を稼ぎ出し、今年度は07年の過去最高純益(4627億円)に迫る勢いだ。6月に小島順彦前社長(現会長)からバトンを引き継いだ小林健社長に、問題意識と今後の舵取りを聞いた。

──好業績下での社長就任。自身の使命をどう考えていますか。

一昔前と比べると、収益基盤の厚みが増し、財務内容も随分よくなっている。私は無理して自分のカラーを出そうとは思わない。大受けを狙って奇抜なことをやろうとしても、多くの社員を抱えた会社を危険にさらすだけだ。

経営で大事なのは継続性。今の収益・財務基盤を維持しながら、さらに強く発展させていく。それが自分に課せられた最大の使命だと考えている。

好業績が生む甘え危惧 社員には当事者意識を

社員の意識改革にも取り組む。この数年、資源高もあって業績はいい。子供を就職させたい会社のトップに選ばれるなど、企業としても、世間から高い評価をいただいている。しかし、そうした状態が続くと、人間は現状に満足し、甘えも出る。危惧しているのは、社員が「自分がやらなくても誰かがやってくれる」と他人任せになり、進取の気性が薄れてしまうこと。先輩方が築いた基盤のおかげで世間は褒めてくれるかもしれないが、お前ら本当にそれでいいのかと。会社を支えているのは自分だという当事者意識を持たせ、どう会社に貢献すべきかを、全社員にあらためて考えてもらう。

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