資源分野は当社の強み、積極投資するのは当然だ--三菱商事社長・小林健

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--就任直後の7月に発表した新中期経営計画では、3年間で過去最大となる2兆~2・5兆円もの投資計画を打ち出し、その半分近くを資源分野に投じる方針です。

「資源で行くぞ」と掛け声をかけたわけではないが、現場が出してきた数字を基に各営業部門と議論を重ね、プライオリティ(優先順位)をつけていった結果だ。中身は豪州の石炭やチリの銅山といった、収益確実性の高い既存鉱区の拡張が中心になっている。

今、厳然たる事実として、豪州の原料炭事業をはじめとする資源分野の利益貢献は非常に大きい。会社を運営していく立場から言えば、自社の強い分野に厚く経営資源を配分するのは当たり前。中計の投資プランをすべて実行しても、全投資資産に占める資源関連の構成比は4割前後で、資産構成のバランスは偏った姿にはならない。

--昨年度の連結純益(2731億円)に占める金属・エネルギー資源の比率は8割近い。ますます業績の資源依存が強まるのでは。

決して資源一辺倒ではない。非資源部門でも3年間で6000億~8000億円の投資を実行する。これも当社の3カ年計画としては過去最大の金額だ。資源は市況次第で収益が大きくぶれる怖さがある。資源が悪いときには、他の事業が頑張って業績を下支えする。それが総合商社のポートフォリオ経営だ。

非資源ビジネスも、充実してきている。昨年度は世界的な景気低迷の影響を受けたが、それでも化学や生活産業はそれぞれ300億円以上の純益を出した。資源ばかりが注目されがちだが、当社は非資源でも複数の事業で業界トップの実績を残している。そこはきちんと評価してやるべきだし、社員たちには誇りと自信を持ってもらいたい。

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