3メガバンクが高水準の純利益、それでも景気減速が不安材料
銀行業の基本は、貸し出しを行って金利リスクと信用リスクのサヤで稼ぐというもの。だが、いずれも日銀・政府の政策で抑えられているので、もっぱら債券売買に頼ることになった。
手数料収益は、個人向けの投信販売が株価の一服で戻り、また法人向けの外為手数料も円高ヘッジで復活してきた。ただ、大きくは伸びない。
さらに、下期に向けては不安材料がある。与信費用は季節的に第1四半期が低く抑えられる。第2四半期には国内の取引先企業の業績を精査し、引き当てを行うため、増加が予想される。また、欧米景気の二番底懸念も強い。景気次第で海外での貸し倒れが出る懸念や、株価の下落による減損の可能性がある。また、金利の一段の低下は見込めず、債券運用益は減る。
通期の純益計画は三菱UFJが4000億円、三井住友が3400億円、みずほが4300億円だが、各社とも上方修正はしていない。
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■三井住友フィナンシャルグループの業績予想、会社概要はこちら
(大崎明子 撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済2010年8月14日号)
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