前回同様、茨城県が不動のトップを守りました。2位は前回3位の福島県。3位に前回6位だった富山県がランクインし、前回2位だった栃木は4位に下がっています。
とはいえ、今回5位の群馬県もあわせて、北関東勢の上位は盤石です。山形県、秋田県、青森県、岩手県などの東北勢が5年前より大きく順位をあげて躍進しましたが、これは男性の生涯未婚率の上位が東北勢となったこととも関連していると思われます。
前回もそうでしたが、未婚女性のほうが多いエリアは皆無で、すべての都道府県で、未婚男性のほうが多い「男余り」となっています。男余りではありながらも、その割合が比較的低いのが、東京、大阪、福岡など大都市です。これらの都市は若年女性の人口流入率の高いエリアです。
最下位の鹿児島県は、女性以上に男性の流出も多いという意味で都市部とは違う原因でしょう。また、愛知県は前回の5位から大きく改善されて17位になりましたが、これは決して男性の婚姻率があがったわけでも、女性の流入が増えたわけでもありません。若年男性の流入が大きく減ったためです。
総務省統計局の人口移動報告年報によれば、愛知の20~30代男性は、2015年の6390人から2019年には187人にまで転入超過が激減、97%も若い男性愛知流入が減ったことによります。
深刻なのは40~50代
5年前と比べて、個別の順位の多少の変動はありますが、西日本より東日本のほうが男余りが激しいという大きな傾向はそのまま踏襲されています。これもまた男性の生涯未婚率の傾向と一緒です。20~30代の男余りは、20年後の男性の生涯未婚率に直結すると考えられます。ただし、東日本でも若年女性流入日本一の東京だけは例外です。
当然ながら、20~30代で未婚男性が余っているということは、結婚したい男性にとってはそのエリアにおいて相手探しが非常に困難になることを意味します。逆に、婚活女性にとっては、男余り地域は、少なくとも対象者が多いという点でチャンスがあるということもできます。
以上は、これから結婚の可能性のある若い20~30代の「男余り」についてのお話でしたが、実は深刻なのは、40~50代の「未婚のおじさん余り」現象です。
冒頭の年代別未婚男女人口差分表でもわかる通り、人口差がもっとも多いのは35~54歳のおじさん世代です。各5歳区切りの年代別でいずれも35万人以上「おじさん余り」となっており、しかも、最大余り年代は45~49歳の44万人です。
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